バイエルン州など南部2州、9月から展示会開催が可能に
(ドイツ)
ミュンヘン発
2020年07月01日
バイエルン州政府は6月23日、新型コロナウイルスの感染者数が増えないことを前提に、9月1日から州内での展示会開催を可能と決定した。フベルト・アイバンガー・バイエルン州経済・開発・エネルギー相はこの決定について、「正常化への第一歩だ」とコメントした。
州政府は展示会開催に当たって、衛生措置の順守を求めていく。州政府は衛生指針を策定、発表しており、(1)ソーシャルディスタンス(1.5メートル)の順守、(2)訪問者の記録および入場制限(注1)、(3)屋内でのマスク着用義務(注2)、(4)出展者によるブース訪問客の記録(注3)、などが求められる。
州の決定を受けて、展示会と会場を運営するメッセ・ミュンヘンは、出展者・訪問者・従業員の健康を最優先とした上で、9月1日以降の展示会開催を判断していく予定だ。具体的には、上記衛生コンセプトを順守の上、「analytica 2020」(分析機器)は2020年10月に、「automatica 2020」(自動化技術)は2020年12月に延期の上開催予定。「electronica」(電子機器)は予定どおり、2020年11月に開催の方向だ。他方、2020年9月に開催予定だった「IFAT 2020」(廃棄物処理)は中止となった。
ドイツ国内の展示会開催は、5月6日に行われたアンゲラ・メルケル首相と州首相の会合で、国内16州が、州の状況などに合わせその開催を決定することで合意している(2020年5月13日記事参照)。
バイエルン州の西に位置するバーデン・ビュルテンベルク州政府も6月23日、感染状況がさらに沈静化し、かつ、一定の衛生ルールの順守を前提に、500人以下の展示会は8月1日から、500人を超える展示会は9月1日から開催可とする方針を発表した。衛生ルールには、入場者情報の掌握、入場者数の制限などが規定される見込みだ。ただし、9月に開催予定だった「AMB2020」(金属加工)は5月に展示会中止となるなど、出展者・訪問者は引き続き、展示会ごとの開催状況を注視していく必要がある。
(注1)訪問者1人当たり、展示会場内で10平米以上の面積が保てるよう入場制限する。
(注2)屋内では距離にかかわらずマスク着用が義務づけられる。感染拡大が低水位で推移する場合、州政府の判断で、ブースでのマスク着用義務が解除される可能性がある。屋外では1.5メートルのソーシャルディスタンスが保持できればマスク着用は不要。
(注3)(注2)で述べた屋内でのマスク着用義務が解除された場合、ブース訪問者の記録をする必要がある。
(高塚一)
(ドイツ)
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