経済制限を緩和、接触制限は延長するも、店舗は全て再開
(ドイツ)
ベルリン発
2020年05月13日
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は5月6日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済的制限措置(2020年4月16日記事参照)を緩和すると発表。今後は制限措置を再び導入する際の基準などの政府方針に沿い、全国16州がそれぞれ具体的な緩和措置を策定・実施する。
メルケル首相は記者会見で「制限措置の緩和を進めると同時に、新規感染数が再び増加に転じた際に、地域ごとで迅速に対応できる態勢が重要。今回の決定はバランスが取れたものだ」とコメントした。
接触制限は6月5日まで延長
- 公共の場所での接触制限措置は、これまでの1.5メートル以上の距離の確保、特定の公共の場所でのマスク着用義務は当面維持し、6月5日まで延長する。
- 1つの郡ないし独立市で過去7日間の新規感染者数が10万人当たり50人以上の場合、郡ないし独立市ごとにただちに接触制限措置を強化する。
- 企業:衛生管理措置を講じ、今後も可能な限り在宅勤務を行う。
- 店舗:全店舗の営業再開を認める。売り場面積に対する顧客数と従業員数を制限することが重要。
- 大規模イベント(祭り、観客を伴う大型スポーツイベント、大型コンサートなど)は、最短でも8月31日まで禁止。
- レストラン、観光目的の宿泊施設利用、見本市などは、州ごとに段階的に再開する。これらは各州担当相会議の共通保健衛生措置に基づいて行う。大学の講義、社会教育分野の公立・民間教育施設、自動車教習所、ボディーケア分野のサービス業(美容サロン・マッサージ店など)、屋内スポーツ施設・プール、公的・私的な小規模パーティー(屋内、屋外)なども州ごとに再開する。
観光目的の移動制限は6月14日まで延長
また、政府は5月5日、観光など不要不急の国外旅行の制限期間を6月14日まで延長した。夏季旅行のハイシーズンを控え、感染拡大の状況を踏まえた継続的な検討を行いながら、6月14日までに方針を再度発表する。国内旅行も当面、親戚の訪問や日帰り旅行などを含め制限する。
(中村容子)
(ドイツ)
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