ハイテク技術見本市「CES 2021」をオンライン開催へ全面移行

(米国)

サンフランシスコ発

2020年07月30日

米民生技術協会(CTA)は7月28日、2021年1月6~9日に開催予定の世界最大級のハイテク技術見本市「CES2021」を、オンラインでの開催に全面移行すると発表した(注)。CTAのゲイリー・シャピロ会長兼最高経営責任者(CEO)は同日のプレスリリースで、「新型コロナウイルス感染症が拡大し、世界で健康への懸念が高まる中、何万人もの人々が安全に集まり、対面でビジネスを行うことは不可能」と今回の決定の理由を説明した。

オンラインでの開催方法について、詳細はいまだ発表されていない。CTAの発表によると、出展者はライブデモやデジタルの製品展示を行う。CESは世界中のテック業界のリーダーが新しい技術やプロジェクトを発表する場としても知られるが、オンライン開催により、参加者は基調講演やカンファレンスに容易に参加できることになる。

一方、オンラインへの全面移行に伴う課題は、対面による偶然の出会いが損なわれることや、時差によるネットワーキング機会の減少だ。特に北米とアジアでは昼夜が逆転し、ビジネス関係者の交流は容易ではない。前回のCES2020(2020年1月開催)には、世界中から出展者約6万4,000人を含む17万人超が参加した。米国以外からの参加割合は約35%に達し、そのうちアジア(中東を含む)からの参加者が6割を占めた。日本からの参加者も8,245人と、中国(1万1,067人)、韓国(1万471人)に次いで多かった。CTAは、ライブによる交流やミートアップなどの機会を提供することで、参加者のネットワーキングを可能にするとしている。

CES2021ではジェトロも、2019年から設置しているJ-Startupパビリオン(2019年1月24日付地域・分析レポート参照)を大幅に拡充し、日系スタートアップの海外展開を支援する予定だった。今回の主催者の発表を受けて、同パビリオンも全面的にデジタルへ移行することを予定している。

(注)当初、米国ネバダ州ラスベガス会場で開催予定だった。

(樽谷範哉)

(米国)

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