連邦政府、新型コロナの影響下での経済活動支援策を発表

(ベルギー)

ブリュッセル発

2020年06月10日

ベルギー連邦政府は6月6日、連邦政府を支持する10政党からなる閣僚会議(注)で採択された、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた社会と経済を支えるための第3弾となる支援措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。主な内容は以下のとおり。

  • 新型コロナウイルスの影響下において既に実施されている、(1)一時帰休制度、(2)個人事業者向けの支援策、(3)育児休暇制度、の適用期間を2020年6月30日から同8月31日まで延長する。また、失業手当や文化産業向けの支援策なども同様に延長される。
  • 困難な状況に直面しているホテル・レストラン・カフェ(HORECA)産業などについては、現行で6月30日までとなっている一時帰休制度を2020年12月31日まで延長する。さらに、2020年6月8日から12月31日まで、同産業のサービスにかかる付加価値税(アルコール飲料を除く)を6%に低減する減税策を実施する。また、一時帰休中の労働者の復帰を支援するため、源泉所得税の一部を今後3カ月免除する。
  • 景気刺激策として、「コロナ禍」で最も影響を受けている文化や外食産業などで使用できる300ユーロの金券を雇用主が従業員に支給する(全額控除対象、非課税扱い)。さらに、連邦政府は、障がい者や年金受領者向けに1カ月当たり50ユーロの給付金を6カ月間追加で支給する。また、7月1日から12月31日まで有効の鉄道無料パスを、国内居住者1人当たり10回分支給、自転車を車内に持ち込む際に追加でかかる運賃も免除する。

なお、連邦政府は、今後も必要な支援策を検討していくとしている。

(注)ベルギー連邦政府は、2019年は5月に実施された総選挙後の連立協議が難航した結果、新政権の正式発足までの暫定政府であるため、立法権限がなかったものの、新型コロナウイルス対策として2020年3月26日に限定的な立法権が付与された(2019年10月29日記事参照)。

(大中登紀子)

(ベルギー)

ビジネス短信 f4551158be12f89b