「アフリカ・ブランドランキング100」調査、日系企業は100位以内に6社がランクイン

(アフリカ)

中東アフリカ課

2020年06月01日

南アフリカ共和国拠点の非営利団体ブランドアフリカ(注)は5月25日、消費者向けブランドの認知度を図る「アフリカ・ブランドランキング100PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。上位100社のうち87社は外資系で、地場系は13社にとどまった。

外資系では欧州が42社、北米29社、アジア16社で、地場系ではナイジェリアが6社、南ア5社、ケニアとエチオピアがそれぞれ1社ずつランクインした。首位はナイキで、次いでアディダス、サムスン電子、コカ・コーラ、テクノの順となった。5位のテクノは、中国の深セン本拠の携帯電話メーカー伝音科技がアフリカ向けに開発した携帯電話ブランドで、褐色の肌質でも鮮明に撮影できるカメラなどを搭載した機種を販売し、市場でのプレゼンスを高めている。

アジア16社のうち、日系ではトヨタ(11位)、ソニー(23位)、ホンダ(58位)、東芝(64位)、シャープ(85位)、日産(94位)の6社がランクインした。トヨタは業種別ランキングの自動車部門でトップとなり、続くメルセデス・ベンツやBMWを上回った。残り10社の内訳は中国6社、韓国2社、インド1社、インドネシア1社だった。地場系ブランドの上位3社は、南アを拠点にアフリカ広域に展開する携帯電話大手MTN(7位)、食品加工などを手掛けるナイジェリアの財閥ダンゴテ(15位)、エチオピアの靴メーカー・アンベサ(26位)だった。

調査結果についてブランドアフリカは、トップにランクインした企業は外資系ながらも現地市場の特性を捉えて現地向けの商品・サービス戦略を展開しており、アフリカの消費者の心を掴んでいるとした。新たな傾向としては、米アマゾン(56位)、ナイジェリアのジュミア(65位)、中国のアリババ集団(92位)など電子商取引(EC)テクノロジー企業の台頭を挙げた。

調査は2020年2~4月にかけて、アフリカ27カ国(域内人口の8割をカバー)で18歳以上の消費者を対象に実施された。携帯電話での聞き取り調査によりトップ3ブランドを答えるかたちで、調査対象者数や属性などの詳細は明らかにしていない。

(注)アフリカにおけるブランド価値の普及・向上を図る目的で2010年に設立された組織。

(高崎早和香)

(アフリカ)

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