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新型コロナの影響で最低所得保障(ミニマムインカム)を前倒しで導入へ

(スペイン)

マドリード発

2020年06月03日

6月1日より生活困窮世帯向けの最低所得保障(ミニマムインカム)が緊急施行外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。スペインは欧州主要国の中でも貧困率が高く、同制度は既にサンチェス首相の政権方針演説で中期的な優先政策事項となっていたが、新型コロナウイルス感染の影響による深刻な経済・社会的な状況を考慮し、実施が前倒しされた。政府の試算外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同施策により85万世帯の合計230万人(人口の約5%)が恩恵を受ける。

世帯の人数構成に応じて月額462~1,015ユーロの所得を保障し、所得がある場合はこの金額との差額を支給。社会扶助などの給付は所得には含まれず、同時に受給することが可能。受給対象は原則23~65歳で、前年の世帯年間所得が5,538~1万2,184ユーロ(上記の所得保障額の年額に相当)を下回る世帯。世帯形成後3年以上経過していることや、資産額上限などの要件がある。外国人も対象だが、受給目当ての移住を防ぐため、スペインに1年以上合法的に居住していることが要件となっている。

また不正受給を防止するため、受給者は税務申告が義務付けられるほか、罰則規定を設け、違反の程度に応じて、最大6カ月間の支給停止または不正受給分の返還、受給権の剥奪などが定められた。

スペインでは、既に自治州単位で公的扶助制度(日本の生活保護に相当)が導入されており、今後は全国一律のミニマムインカムをベースに、各州が地域の実情に応じて既存の制度で補完するかたちとなる。

給付とセットでソーシャル・インクルージョン政策も推進

政府は、ミニマムインカム給付と同時に、受給者の雇い入れに助成金を出すほか、受給者雇用を積極的に進める企業の認証制度も導入すると説明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。仕事のない受給者の場合、公共職業安定所で失業者登録を行い、職探しをすることが給付の条件となる。

パブロ・イグレシアス第1副首相兼社会権・2030アジェンダ相は、「給付金は直接家計や消費に回り、企業や個人事業主の事業継続を支える。これからの景気回復にとって必要な施策だ」と述べた。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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