3~5月の失業率は5.9%、金融危機時を上回り過去15年で最悪

(香港)

香港発

2020年06月22日

香港政府統計処は6月16日、3~5月の失業率(季節調整済み、速報値)は5.9%となったと発表した。過去10年で最悪となった2~4月期の5.2%から0.7ポイント上昇した。2009年6~8月の金融危機時の5.5%を上回り、過去15年で最悪の水準となった(添付資料図参照)。

業種別にみると、建設業が10.8%、小売り・ホテル・飲食業が10.6%と高く、中でも、飲食業は14.8%と悪化が顕著となっている。新型コロナウイルス感染拡大に伴う飲食店の営業規制や市民の外出自粛、観光客の減少などのあおりを直接受けたかたちだ。

政府労働・福祉局の羅致光局長は発表に際し、「香港では感染拡大は収まりつつあるが、経済活動が回復するには時間を要する。世界的な感染拡大は世界経済に引き続き影響を及ぼしており、外部環境は厳しい状況が続く。悪化の速度は鈍くなりつつあるが、短期的には労働市場は圧力に面している」「政府は一連の雇用維持、創出策を含む過去最大規模の救済措置を打ち出しており、これらの措置は就業保障に役立つ」とコメントした。

政府賃金補助第1弾には約43万件の申請

政府の賃金補助第1弾の募集は6月14日に締め切られ、約43万件の申請があった。6~8月分の賃金につき、従業員1人当たり月9,000香港ドル(約12万6,000円、1香港ドル=約14円)が補助される(自営業者には7,500香港ドルの一時金補助)。既に約2万6,000の雇用主に対し約48億香港ドルが支給済みだ。支給を受けた雇用主のうち、98%が従業員50人未満の中小零細企業とされている。

9月に支給される第2弾(9~11月分の賃金補助)は、追って申請の詳細が発表される。

(渕田裕介)

(香港)

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