電気自動車用の公共充電施設、バイエルン州が最多

(ドイツ)

ミュンヘン発

2020年06月24日

連邦エネルギー・水道事業連合会(BDEW)は6月8日、ドイツの電気自動車用の公共充電施設数(注)を発表した。同連合会によると、ドイツ国内の公共充電施設は4月24日時点で2万7,730カ所となり、2019年5月(1万7,400カ所)と比べて6割増加した。このうち、急速充電施設は全体の約14%に該当するという。

州別にみると、バイエルン州が6,353カ所で国内最多となった。続いて、バーデン・ビュルテンベルク州が4,950カ所となり、南部ドイツの2州で全体の約4割を占めた(添付資料表参照)。都市別(ハンブルクとベルリンは州扱いの特別市)にみると、バイエルン州にあるミュンヘンが1,185カ所で最多、ハンブルク(1,096カ所)、ベルリン(1,052カ所)と続いた。

電気自動車普及のためには、充電インフラの拡充が欠かせない、との指摘は多い。連邦自動車局(KBA)によると、2020年1月1日時点で、国内で登録された電気自動車は13万6,617台、プラグインハイブリッド車は10万2,175台で、合わせても登録乗用車数全体の0.5%にすぎない。ただし、前年比では電気自動車64.3%増、プラグインハイブリッド車52.5%増と急増している。

連邦政府も、充電インフラの拡充に注力する。連立与党は6月3日に合意した経済刺激策のうちの「未来パッケージ」の中で(2020年6月10日記事参照)、充電インフラの拡充をうたっている。具体的には、充電施設における支払いシステムの統一や、国内の全てのガソリンスタンドへの充電設備の設置などを進める。電気自動車・蓄電池の研究開発と併せて、充電インフラの拡充に25億ユーロを投入するとしている。

(注)エネルギー会社、駐車場運営会社、スーパーマーケット、ホテルなどが敷設した公共充電施設をBDEWが集計したもの。

(高塚一)

(ドイツ)

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