効率化と減税などで年間1,300億元以上の物流コスト削減見込み

(中国)

上海発

2020年06月12日

中国国家発展改革委員会と交通運輸部は6月2日、「物流コストのより一層の削減に関する実施意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、意見)を発表した。新型コロナウイルスに対する防疫期間中、物流コストが段階的に上昇したことは経済復興活動にふさわしくないとしており、物流コストをさらに削減し、効率化を図り、生産と生活秩序の回復を加速させることを目的とする。

意見は、(1)物流の制度的コスト削減、(2)土地と資金の保障強化、物流の要素コスト削減、(3)減税措置の着実な実施と物流の税金コスト削減、(4)情報共有の強化、物流の情報コスト削減、(5)物流施設の効率的な利用推進、物流の関連コスト削減、(6)物流業の品質向上推進、物流の総合コスト削減という6つの方面からなる(添付資料表参照)。

道路交通分野では、地方の有料道路の料金徴収権を買い戻し、無料通行の実施を奨励する。高速道路の省境料金所廃止後、運行保障を強化し、運送業者の負担を軽減する。高速道路の省境料金所廃止に関しては、2019年5月に実施方案(国弁発[2019]23号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で「2年以内に廃止」と明記していたが、今回の意見はその動きを加速する内容となっている。鉄道分野では、雑費項目を合理化し、徴収料金リストを公示する。公示した料金基準以外での追加料金の徴収や、料金の引き上げ・変更などを厳禁する。港湾分野では、検査検疫費用の引き下げ、海運港湾料金の見直しや合理化、海運港湾料金リスト以外の追加料金の徴収禁止、一部政府が定めた料金基準の引き下げなどを実施し、各種料金の規範化を目指す。この通知が実施されれば、企業の物流運輸コスト軽減につながるだろう。

交通運輸部の戴東昌副部長は5月19日の会見で、「政府の手続きを最適化し、交通運輸物流の手続き簡素化や物流コストの削減、品質向上をさらに推進し、企業負担のさらなる軽減を進め、2020年通年で物流コストを1,300億元(約1兆9,500億円、1元=約15円)以上削減することが見込まれる」と述べた(交通運輸部5月19日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(呉秀媛)

(中国)

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