カリフォルニア州の外国直接投資は日本がトップ

(米国)

ロサンゼルス発

2020年06月02日

ワールドトレードセンター・ロサンゼルス(WTCLA)とロサンゼルス経済開発公社(LAEDC)は5月26日、カリフォル州における外国直接投資報告書を発表したPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

カリフォルニア州の外資系企業数は1万8,718社で、これらの雇用は73万648人と報告された。うち、日本は最も多い3,880社で日系企業は12万1,223人の雇用を創出していることが分かった。

日本に続いて企業数が多いのは英国2,303社(従業員数11万1,430人)、フランス1,888社(同6万9,458人)、カナダ1,583社(同6万1,841人)、ドイツ1,535社(同6万1,039人)となった。

州の主要都市部の外国直接投資も日本がトップ

これまで本報告書は南カリフォルニア地域に限定されていたが、今回初めてカリフォルニア州全体を対象とした。地域別では、サンフランシスコ周辺のベイエリア地域の日系企業は1,084社で、外資系企業による雇用者数全体の13.6%を占める3万1,106人を雇用している。またロサンゼルス郡の日系企業は1,212社で外資系企業による雇用者数全体の19.7%を占める3万9,812人を雇用しており、州内両都市部で日本はトップとなった。

5月27日にWTCLAが実施した本報告書の解説ウェビナーの冒頭、カリフォルニア州のエレニ・クーナラキス州副知事は「州の73万人の雇用が外国直接投資に支えられている。カリフォルニア州は全米で最も多く製造業の雇用者数を抱えるが、製造業の雇用者数の13%が外資系企業のおかげであり非常に重要だ」と述べた。なお、ジェトロが4月28~30日に米国の日系企業を対象に実施したアンケート調査によると、約7割の企業が新型コロナウイルス影響下にあっても雇用を維持していた(2020年5月8日記事参照)。

続いて行なわれたパネルディスカッションでは、カリフォルニア州は医療機器産業、航空機産業、農業が盛んな地域であることから、これらの産業に絡んだ外国からの投資機会があることが議論され、バイオマスや水処理などアグリテックの成長機会もあると紹介された。パネリストの1人として発言したWTCLAのスティーブン・チャン社長は、新型コロナウイルス収束後の投資機会として「供給不足を経験した米国でこのような危機に備えたサプライチェーンの多様化や柔軟な国内生産に焦点を当てたビジネスへの投資もひとつの戦略ではないか」と述べた。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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