大統領、国境封鎖は延長も、国内制限緩和の第1段階を開始

(ガーナ)

中東アフリカ課

2020年06月09日

ガーナのアクフォ=アド大統領は5月31日の国民演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、人の移動を止めるための陸・海・空全ての国境封鎖措置は延長するものの、ロックダウン解除後初めてとなる部分的な制限緩和の第1段階を開始することを発表した。

(1)教会およびモスクでの参拝の再開(6月5日~)

施設の収容定員の25%以内の参加人数で、最大100人の信者が1メートルの距離を保ちながら、教会またはモスクで礼拝を行うことができる。その際、全ての人のマスク着用、参拝者の名前と連絡先の登録、手洗い場と消毒液の設置を義務付ける。

教会、モスクなどの施設を開放したい宗教機関は、安全な再開と運営を保証するために、指定された規制機関と協力し、会場の消毒と燻蒸、必要な設備を設置する必要がある。宗教問題担当相が6月1日、教会とモスクの安全な再開のための具体的なガイドラインを概説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、教会に対しては29項目、モスクには26項目のプロトコルの厳守が示されたほか、避難手順が示された。

(2)中学、高校および大学における最終学年の授業および試験の再開(6月15日~)

段階的に中学、高校、大学の最終学年の生徒に対して、それぞれの卒業試験前の授業を再開する。

大学の最終学年は6月15日から(講義は最大でもクラスの半数)、高校の最終学年および飛び級2年生は6月22日から(クラスは最大25人)、中学校の最終学年は6月29日から(クラスは最大30人)、文科省以外の省庁が管理する教育訓練機関の最終学年生は6月15日から、卒業試験を修了するために学校に戻ることができる。

学校や大学の開校に先立ち、文科省や公私立の教育機関の長は、それぞれの教育機関の燻蒸(くんじょう)・消毒を実施する必要がある。学生、教員、教員以外の職員には、文部省から再利用可能なフェイスマスクが支給される。

なお、最終学年以外の学生を対象とした、私立・公立を問わず、他の全ての教育施設は閉鎖を継続する。

(3)再開される集会と内容(6月5日~)

葬儀(個人葬)、会議、ワークショップ、レストラン、結婚式、政治活動については、以下の条件に基づいて再開が可能。

  • 個人葬:最大100人以下であれば可
  • レストラン:着席でサービスを提供し、社会的距離と衛生プロトコルの下で運営可能
  • スポーツ:個人の非接触スポーツは可
  • 会議、ワークショップ、結婚式、政治活動(政治集会を除く):適切な社会的距離と衛生規定の下、100人以下で実施可
  • 市場、職場、公共交通機関、選挙管理委員会、全国市民教育委員会、国民識別局などの憲法・法定機関:社会的距離を保ち、必要な衛生・安全プロトコルに基づいて活動実施可

公共の集会に関するプロトコルの教育を強化する一方、規制機関がこれらの規則を順守しているか否かの抜き打ち検査を、セキュリティサービスが実施することとする。いずれかの機関がこれらの指令を順守しない場合、その活動は直ちに禁止され、関連する制裁が適用される。

(4)再開とならない集会など

上記以外の全ての一般的集会を引き続き禁止する。

スポーツイベント、ナイトクラブ、映画館、飲み屋、バー、ビーチ、祭り、葬儀(個人葬を除く)、政治集会、十字軍、巡礼、大会などの大規模な宗教的集会の停止を7月31日まで延長する。

なお、人の移動を止めるための、陸海空全ての国境封鎖措置は、別途通知があるまで、延長することが発表された。一方、海外に立ち往生しているガーナの住民がいる場合、ガーナに避難するための特別な許可が与えられ、その際は検疫および安全プロトコルの義務対象となるとしている。

(関根広亮)

(ガーナ)

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