8月31日まで「回復移動制限令」へ移行、一部の禁止業種・活動を解禁

(マレーシア)

クアラルンプール発

2020年06月08日

ムヒディン・ヤシン首相は6月7日、国内における新規感染者数が減少傾向にあることから、6月9日に実施期限を迎える条件付き移動制限令(Conditional Movement Control Order:CMCO)を終了し、6月10日以降は回復移動制限令(Recovery Movement Control Order:RMCO)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に移行すると発表した。実施期限は8月31日までとなる。政府は、RMCO下で新型コロナウイルスの感染が継続的に抑制されれば、8月31日以降、新型コロナウイルスのワクチンが完成するまでの期間、正常化フェーズに移行する方針だ。

州をまたぐ移動、国内観光が解禁

RMCOは正常化に向けたフェーズで、CMCO中に禁止されていた州をまたぐ移動、国内観光が許可されるが、十分な感染予防対策を取ることが求められる。また、CMCO中に禁止されていた業種・活動のうち、一部については標準手順書(SOP)を順守することを条件に6月10日より再開可能になる。具体的には、美容院、理髪店、市場、対面での会議や営業・マーケティング活動、博物館、美術館、エンターテイメント施設、屋内パフォーマンス、撮影、接触のない屋内スポーツなどが解禁となる。学校については、RMCO中の再開を目指す。

他方、マッサージ店などのリフレクソロジー施設、ナイトクラブ、テーマパーク、カラオケ店、接触が発生するスポーツ、大勢での集会などはRMCO中も禁止される。

経済回復のための短期計画も発表

ムヒディン首相は6月5日、2020年6月から12月までの「短期経済回復計画」を発表した。マレーシア財務省は6月2日に、同計画を近日中に発表することを表明していた(2020年6月5日記事参照)。同計画は、350億リンギ(約8,750億円、1リンギ=約25円)規模で、経済回復へのてこ入れを目的に40の施策が実行される。

(田中麻理)

(マレーシア)

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