下院の委員会、最高選挙裁判所の大統領選法案を承認、9月6日投票の方向で調整

(ボリビア)

リマ発

2020年06月10日

延期されていたボリビア大統領選挙を5月3日から127日以内(9月6日まで)に実施する法案691号が6月9日、下院議会の「憲法・立法・選挙制度委員会」で承認された。選挙日は期限の9月6日で調整されている。

大統領選の日程については、新型コロナウイルス発生により国境封鎖と強制外出禁止令が発表された際に、最高選挙裁判所(TSE)が当初予定の5月3日から延期していた(2020年3月25日記事参照)。その後、新型コロナ対策を優先するジャニネ・アニェス暫定大統領の意向に反して、エボ・モラレス前大統領が所属する社会主義運動党(MAS)のモニカ・エバ・コパ・ムルガ上院議長らが中心となって、大統領選を5月3日から90日以内(8月2日まで)に実施することを定める法案1297号を4月30日に上院で採決した。これに対して、アニェス暫定大統領はツイッター上で国民に向けて、同法案が選挙権を有する約600万人の人々をウイルス感染のリスクにさらすとした上で、MASの大統領候補で元経済相のルイス・アルセ議員と、MASの大統領選挙キャンペーン戦略のかじを取るモラレス前大統領の両者を批判する異例のコメントを発表していた。今回の法案691号は、1297号を修正するかたちでTSEが各党との調整を図った結果提出されたものだ。

TSEのサルバドル・ロメロ長官は、選挙日については衛生当局や国内外の専門家と協議した上で感染予防に細心の注意を払った上で確定するとしつつ、9月6日に行うことによって国際選挙監視団の受け入れ準備がより整うとして歓迎した。

(設楽隆裕)

(ボリビア)

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