米主要航空会社、乗客にマスク着用の義務付けを強化

(米国)

ニューヨーク発

2020年06月19日

米航空業界団体のエアラインズ・フォー・アメリカ(A4A)は6月15日、会員企業である米国の主要航空会社が乗客・乗員に対しマスク着用の義務付けを強化すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本方針を導入する航空会社は、アラスカ航空、アメリカン航空、デルタ航空、ハワイアン航空、ジェットブルー航空、サウスウエスト航空、ユナイテッド航空。

発表によると、上記航空会社の旅客機を利用する乗客は、搭乗中は常にマスクの着用が義務付けられる。マスク着用の義務付けを徹底する方法として、チェックイン時および航空機内で、マスク着用義務の方針を周知するとしている。また、乗客がマスク着用義務に違反した場合、乗客としての受け入れ停止を含めた措置をとるとしている。

乗客に対するマスク着用の義務付けに関する方針は、4月末にジェットブルー航空が先駆けて発表した後、5月11日までにはユナイテッド、アメリカン、デルタ、サウスウエストも同様の方針を定めていた(航空専門誌「AFAR」5月2日)。しかし、現実には義務付けは徹底されていなかったため、機内でマスクをしない乗客が目立つ状態だった。(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版6月4日)。

A4Aのニコラス・カリオ会長は、「マスクなどで顔を覆うことは、米疾病予防管理センター(CDC)が勧めている重要な感染予防策の1つであり、米国の各航空会社はマスク着用の義務付けの強化に真剣に取り組んでいる」とし、今回、強化された方針を乗客が順守することを期待するとしている。また、A4Aの会員企業は、空港のチェックインカウンターや搭乗ゲートの消毒、機内の消毒や換気、搭乗時の対人距離の確保、機内サービスの変更のほか、米国運輸保安局(TSA)に対し乗客の体温のスクリーニング検査実施を要請するなど、さらなる対応策にも取り組んでいる。

ジョンズ・ホプキンス大学によると、6月18日午前11時(日本時間)までに米国内の新型コロナウイルス感染者数は216万3,290人、死亡者数は11万7,717人となっている。

(吉田奈津絵)

(米国)

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