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EU、医薬品・医療用品貿易の将来的なWTOルール化を提案

(EU、世界)

ブリュッセル発

2020年06月17日

欧州委員会のフィル・ホーガン委員(通商担当)は6月15日、有志のWTO加盟国13カ国・地域からなる通称オタワ・グループ(注)の貿易大臣会合において、医薬品・医療用品などヘルスケア産品の貿易円滑化に関するコンセプト・ペーパーPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を提示した。新型コロナウイルスの影響による「危機」に対して、多くの国でヘルスケア産品などの輸出制限が取られ、必要な物資の不足や価格高騰が生じた教訓を基に、対策をまとめたもの。欧州委のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、EUとしては将来的には全WTO加盟国に開かれた国際協定の締結も視野に、今後の議論を深めていく狙いがある。

「必需品」に適用される貿易ルールを提案

ペーパーでは、恒久的な関税撤廃の対象とすべき医薬品と医療用品の品目リストや、それらの品目を含む「必需品(essential goods)」に適用されるべき貿易ルールの概念が提案されている。

関税撤廃に関しては、ペーパーによれば、現在WTO加盟164国のうち約8割が医薬品の一部に関税を賦課している。医療用品では、医療機器の多くは2015年に改正されたWTOの情報技術協定(ITA)によって関税撤廃の対象となっているが、同協定の参加国はWTO加盟国・地域の約半数にとどまる上、人工呼吸器など対象外の品目もある。マスクをはじめとする防護用品の扱いも検討課題となる。

貿易ルールに関してEUは、まず「必需品」の定義を固めた上で、それらの産品について、輸出入制限措置や、迅速な供給を可能とするための国内規制(とりわけ貿易の技術的障害(TBT)に関するルール)や税関手続き、公共調達における透明性の確保などを含んだ、新たな規律を検討すべきと提案した。特に輸出入制限措置については、今回の新型コロナウイルスの影響による「危機」において46のWTO加盟国・地域が輸出制限措置を導入し国際貿易に混乱が生じた教訓から、既存のWTOルールを前提にしつつ、緊急避難的な制限措置が不可避である場合の発動条件を明確化すべきとしている。

なお、欧州委は6月16日、新型コロナウイルスの影響による「危機」からの教訓を含む新たなグローバル課題に対応すべく、EUの通商政策の中期的な方向性を見直していくと発表した。

(注)オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、EU、日本、ケニア、韓国、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、シンガポール、スイスの13カ国・地域。2018年10月にカナダ・オタワで開催されたWTO改革に関する閣僚会合の参加メンバー。

(安田啓)

(EU、世界)

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