民政部、介護士育成大綱を新たに発表

(中国)

北京発

2020年06月12日

中国民政部養老サービス局は6月8日、「養老護理員育成大綱(意見請求稿)(以下、本大綱)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(注)を発表し、パブリックコメントの募集を開始した。本大綱は2019年10月に民政部と人力資源社会保障部が発表した「養老護理員国家職業技能標準(以下、本標準)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で定めた養老護理員の技能に関する国家標準に基づき、その育成を進めるための具体的な方法を定めている。本標準では養老護理員の等級を1級(高級技師)から5級(初級工)の5段階に分類しており、本大綱ではそれぞれの等級について、必要な研修時間や研修内容、試験方法、求められる技能のポイントなどを細かく定めた。

中国では、60歳以上の高齢者が2億4,900万人に達し、そのうち要介護高齢者は4,000万人とされる。その一方で、養老護理員は30万人しかおらず、人員不足に直面している。民政部は必要な学歴条件を撤廃することで(従来は「中学校卒業以上」)、より多くの人材の入職を促し、2022年末までに200万人の養老護理員を育成するとしている。また、各地方政府も独自の目標を設定し、その育成を進めている。

中国企業からジェトロへの日本式の人材育成に関する問い合わせも増加しており、日本企業が中国で展開している介護人材育成講座への注目もより高まることが予想される。

なお、本大網にかかるパブリックコメントは6月18日まで、EメールまたはFAXで受け付けている。

(注)養老護理員は「高齢者の生活ケア、介護サービスに従事する者」と定義され、日本の介護士に当たる。

(唐澤和之)

(中国)

ビジネス短信 761e93863fc2f257