ケレタロ州での「不可欠な活動」以外の操業開始には通知義務

(メキシコ)

メキシコ発

2020年06月25日

日系企業が100社以上進出するメキシコ・ケレタロ州では、連邦政府による6月22~28日の新型コロナウイルス警戒信号の色は赤(2020年6月22日記事参照)だが、6月16日付の州官報が公布した条例に基づく州独自の信号システムが導入され、6月22日の週の色はオレンジと発表されている。オレンジ信号の下では、「不可欠な活動」以外の活動も許可されるが、60歳以上の高齢者や高血圧・肥満など感染症に脆弱(ぜいじゃく)な人々には自宅待機が求められるため、注意が必要だ。詳細は添付資料の表を参照。

オレンジ信号下で操業再開が許可される活動について、官報で公布した条例では不明瞭な点が多いため、ジェトロが州政府の市民保護調整局(CEPQ)に電話で確認したところ、条例で明記していない活動(各種サービス業、商社など)についても、オレンジ信号下では操業が認められる。ただし、不可欠な活動以外の事業所については、専用サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますやスマートフォンのアプリ(COVAPP)を通じて、事業所の各種データと職場の広さに関するデータを送信(通知)する必要がある。なお、操業が許可される信号の色(オレンジ、黄、緑)や、業種、職場の広さ(屋外スペース、自然換気可能屋内スペース、人工換気のみ屋内スペースの別)に応じて、事業所で働くことができる従業員の数が制限される。どの程度の従業員で操業が可能かについては、CEPQのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで計算できる。

通知義務違反に注意

操業を再開する事業所の通知義務を定める6月16日付条例第5条は、州政府当局の査察により事業所が通知していないことが発覚した場合、7~15日間の操業停止処分とすることを規定している。操業停止の解除は、事業所が通知を実施し、当局に停止解除を要請した後3日以内に行われる。また、通知した内容が事業所の現場と異なることが発覚した場合は、15~30日間の操業停止処分となる。虚偽の通知を2回以上行った場合、事業所閉鎖の制裁が取られる。

なお、上記通知義務は「不可欠な活動」以外の事業所に義務付けられるものであり、輸送機器製造に関連する活動など「不可欠な活動」を行う事業所は、連邦の社会保険庁(IMSS)に対する自己承認のプロセス(2020年6月2日記事参照)を実施し、IMSSから承認文書を入手していればよい。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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