国家非常事態を6月29日まで再延長、新型コロナ感染者数は増加傾向

(モザンビーク)

マプト発

2020年06月03日

モザンビークのフィリペ・ニュシ大統領は5月28日、新型コロナウイルス感染防止策として4月1日に宣言された国家非常事態(2020年4月16日記事参照)の再延長を発表した。これにより、前回の延長(2020年5月15日記事参照)の期限である5月31日午前0時から、6月29日午後11時59分まで30日間延長される。再延長に伴う各種制限の強化、緩和については28日時点で発表されていない。

保健省の発表によると、5月28日時点での国内感染者数累計は233人(検体数9,818件)で、5月1日時点での79人(検体数2,246件)から倍以上に増加している。感染者増加の背景として、北部カーボ・デルガド州のエリア1天然ガス田の開発を進めるフランス石油大手トタル関係者内で発生した集団感染(同州での5月1日時点感染者数57人、5月28日時点131人)、および首都マプト市を含むマプト州での複数経路による感染者増加(5月1日時点22人、5月28日時点66人)が挙げられる。また、国内10州全てで感染者が報告されている。モザンビーク政府は国民に対し感染防止への努力を呼び掛けているほか、モザンビーク民間航空局(IACM)は航空貨物便などを除く、事前承認なしの国際旅客便の発着往来を5月30日まで禁止するなどの感染防止措置を取ってきた。

国家非常事態は、同国憲法284条において最大30日間、3回までの延長が可能と規定されており、2回目に当たる今回の延長が期限切れとなる6月30日以後も30日間延長することができる。

(松永篤)

(モザンビーク)

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