補助金支給で国際航空貨物輸送を支援

(中国)

北京発

2020年06月02日

中国財政部と民用航空局は5月25日、「新型コロナウイルス予防抑制期間中における民用航空輸送企業の国際貨物輸送能力の安定および向上に対する資金支援策の実施に関する通知」(財建[2020]119号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。国際航空貨物輸送能力の安定化と向上、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定化を図り、新型コロナウイルスの影響に積極的に対処するため、航空貨物輸送に対する支援策を実施するものだ。期間は4月1日から6月30日まで。

通知によると、(1)民航審査部門の承認を得た設計案に基づいて実施される旅客機から貨物機への改造、(2)中国や外国の航空会社によって4月1日以降に運航される、乗客を乗せない国際貨物輸送便に対して、補助金を支給する。(1)については、支出額の80%を補助する。支給額は、通路が1本のナローボディー機で1機当たり80万元(約1,200万円、1元=約15円)、ワイドボディー機で145万元を上限にしている。(2)では、運航距離などに応じて1便当たり7,500~6万元の補助金を支給する。

国際旅客チャーター便の審査認可の迅速化も発表

なお、民用航空局は25日、操業・生産再開のための国際旅客チャーター便運航計画の審査・認可に当たっての特別優遇ルート構築に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも発表した。国務院共同防止・抑制メカニズム(あるいはその渉外組織)の承認を受けている、あるいは中国と外国の間のファストトラックの要求に合致する操業・生産再開のための国際旅客チャーター便の運航計画について、審査・認可手続きを臨時的に調整することで特別優遇ルートを構築し、手続きの合理化と処理時間の短縮を行うとしている(注1、2020年5月29日記事参照)。民用航空局の李健副局長は、国外からの新型コロナウイルス流入が有効に抑制される前提の下で、適切に航空便数を増加させると語った(「財新網」5月27日、注2)。

(注1)通知では、不定期便の飛行許可の申請期限は7営業日前から3営業日前に調整され、週7日、24時間受け付けるとしている。

(注2)中国民用航空局は3月29日以降、(1)中国の国内航空会社については、各社につき各国1路線、週1往復まで、(2)外国の航空会社については、各社につき中国との航空路線を1路線、週1往復までに限定する政策を取っている(2020年3月30日記事参照)。

(趙薇)

(中国)

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