新鉱業投資法を閣議承認、期待される鉱業分野の発展

(サウジアラビア)

リヤド発

2020年06月12日

サウジアラビアにおいて6月9日、新鉱業投資法が閣議承認された。新鉱業投資法は、サウジアラビアの鉱業分野の改革を促し、国内外からの投資促進を狙いとする。

現地報道(「サウジ・ガゼット」6月10日)が伝えたアル・コライエフ産業鉱物資源相の発言によれば、新鉱業投資法は63の条文から成り、5兆リヤル(約145兆円、1リヤル=約29円)とも見積もられるサウジアラビアの鉱物資源の活用を含め、同国鉱業分野の本質的な改革を推進するものとされる。また、鉱業分野における経済効果として、2,400億リヤル以上のGDPへの貢献、370億リヤルの輸入削減、20万人の雇用創出が見込まれるほか、優れた組織運営、明確な規制・ライセンスシステムの構築により、鉱業分野がサウジアラビアにおける産業の第3の柱となることが期待されている。

鉱業分野は、2019年1月に発表された産業成長戦略「National Industrial Development and Logistics Program(NIDLP)」における4つの重点分野(産業、鉱業、エネルギー、物流)の1つで、以前よりサウジアラビアにおける新たな産業の柱となることが期待されてきた。

NIDLPのスレイマンCEO(最高経営責任者)は、現地「アラブニュース」において、「新鉱業投資法は包括的な内容となっており、今回の閣議承認により、鉱業分野の発展、競争力の強化、質の高い雇用の創出、収益性の高い投資機会の拡大、ダウンストリーム(下流産業)の活性化を促す」と述べている。

(佐々木宏行)

(サウジアラビア)

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