現地通貨リエル普及促進の動き

(カンボジア)

プノンペン発

2020年06月05日

カンボジア国立銀行(NBC)は5月28日、商業銀行およびマイクロファイナンス機関(以下、MFI)と協議し、NBCによる1ドル、2ドル、5ドルの3種類の小額米ドル紙幣の受け入れを制限することで合意したと発表した。今回合意に至った背景として、1.金融政策の独立性と経済成長の効率化を推進するため、現地通貨リエルの使用を広める必要があること、2.リエルの市場での需要が低下し、米ドルに対し大幅に下落したことで、農民などの低所得者に影響を与えており、小規模取引には小額米ドル紙幣をリエルに置き換える必要があること、3.流通している小額米ドル紙幣が古くなり、交換するためのコストが嵩んでいる一方、少額米ドルの需要が低迷していることがあるとした。

今回の合意のポイントは以下のとおり。

  • NBCは6月1日から8月31日までの3カ月間、小額米ドル紙幣を銀行およびMFIから無料で受け入れる。
  • 9月1日以降、NBCは小額米ドル紙幣を受け入れに際して、紙幣の輸出に係る手数料を請求する(注)。なお、10ドル以上の紙幣の受け入れ手数料は無料。
  • NBCは引き続き商業銀行およびMFIと協議し、小額米ドル紙幣の受け入れ停止の正確な時期を決定する。

プレスリリース発表後、この情報が市民の間で誤解をもって広がり、小額米ドル紙幣による支払いが拒否される混乱が発生したが、フンセン首相が6月1日、当面は正常に使用できることの声明を発し、事態は収拾した。

現在、カンボジアでは預金残高に占める外貨建て預金比率が9割以上を占めるなどドル化が進んでおり、政府による現地通貨リエルの利用を促進するための取り組みが動き出したとみられる。

(注)NBCはカンボジアにおいて通貨の輸出入が認められた唯一の機関だ。

(脇坂敬久)

(カンボジア)

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