ロシア最大級のスタートアップ・イベントがオンラインで開催

(ロシア)

モスクワ発

2020年06月01日

モスクワ郊外のイノベーション拠点スコルコボ・イノベーションセンターは5月21~22日、ロシアCIS地域最大級のスタートアップ支援イベント「スタートアップ・ビレッジ2020」を開催した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による感染防止のため全てのプログラムがオンライン方式となる中、100カ国以上から10万人超が参加した。

スタートアップや投資家、大企業、支援機関などが交流を図る毎年恒例のイベント(2019年6月11日記事参照)で、今回で8回目。オンラインで行われたパネルディスカッションやセミナー、ピッチコンテスト、ネットワーキングの多くで、COVID-19拡大および収束後のビジネスへの影響が取り上げられた。各プログラムの録画映像は公式ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで視聴することができる。ロシア、中国、米国、EU、日本など100カ国以上からの参加があり、ユニーク視聴者数(重複を除く実際の視聴者数)は2日間で約10万7,000人に上った。これは前年のオフラインでの開催時の来訪者数である1万人強を大きく上回る。他方、参加者の平均視聴時間が約1時間であることから短時間で退出したケースが多数だったことがうかがえる。

スタートアップによるピッチコンテストは、4つのテーマ(情報、バイオ、産業、省エネの各技術)に分かれて選考が行われた。特に「情報技術」で1位となった「BIOSMART」による、手のひらの静脈を読み取る生体認証装置は薄い医療用手袋を装着しても認識可能であることから、「コロナ後」の安全な認証技術として高く評価された。各テーマの1位入賞者(添付資料表参照)には300万ルーブル(約420万円、1ルーブル=約1.4円)、2位は200万ルーブル、3位は100万ルーブルがそれぞれ賞金として贈られた。

スコルコボ財団のビクトル・ベクセリベルク理事長は「(COVID-19による)困難な状況下でも大勢の参加者を集めることができ、今後の本イベントのあり方がオンラインとオフラインの統合にあることが判明した」と評した。

(イワン・リソフスキー、戎佑一郎)

(ロシア)

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