メキシコ市政府、活動再開計画の実施に向けた指針発表

(メキシコ)

メキシコ発

2020年06月01日

メキシコ市政府は5月29日、官報で条例を公布し、新型コロナウイルスの感染を抑制しつつ経済・社会活動を再開していくメキシコ市首都圏の計画(2020年5月21日記事参照)を実施に移す上での指針を発表した。その中で留意すべき点は以下のとおり。

  1. 警戒信号の色の変更は1日単位ではなく、週単位に(毎週金曜日に次週の色を発表)
  2. マスクの着用、せきエチケットなど呼吸器衛生の義務化、唾を吐く行為の禁止、感染した場合の自宅待機と当局への通知の義務化
  3. 操業を再開する事業所での安全衛生措置の義務化と専用サイトでの自己承認

1.については、5月20日の計画発表時点では病床利用率のデータを基に毎日変更するとしていたが、週単位で発表される連邦政府の警戒信号との連携を図るため、週単位の変更とした。

2.は、メキシコ市の住民および通行人にとってマスクの着用は義務となる。また、唾を吐く行為を禁止する。市警察などによる罰則の適用を避けるために注意が必要だ。

3.では、テレワークの推進と高齢者などの自宅待機の徹底、手洗い励行や健全な距離確保などの基本的な衛生措置に加え、事業所入り口の靴の消毒マット設置、事業所や共有物の頻繁な清掃・除菌も求められる。さらに、従業員の毎日の体温測定が義務付けられ、熱が高い従業員には自宅待機を命じ、電話やSMS、ウェブサイトを通じた当局への通知も義務付けられる。

6月16日以降に専用サイトで登録を

指針の第4章によると、操業を再開する事業所はメキシコ市官報や専用サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公表される産業・活動別の衛生指針に従い、職場の安全衛生対策を実施した上で、同専用サイトに6月16日以降に開設されるプラットフォームを通じて、事業所のデータなどを入力し送信する。また、プラットフォームには職場の安全衛生対策として実施しなければならない対策が列挙され、対策を全て実施したことを自己承認すると、事業所の対策実施に関する「誓約書(Carta-Compromiso)」が出力される。事業所の責任者は誓約書を職場の見える場所に掲示しなければならない。また、信号がだいだい色や黄色の場合、業種や地域に応じて出勤日や出勤時間が指定されるが、その指定出勤日や時間を守る必要がある。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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