税関総局、野菜種子の輸入免税ルールを周知徹底

(ベトナム)

ホーチミン発

2020年06月29日

税関総局は6月11日、野菜種子等の免税規定に対する各税関での対応を統一させるため、地方税関に対し指示文書3864/TCHQ-TXNKを発出した。2020年6月12日付「ザンベトニュース」によると、免税規定のある野菜種子などをベトナムに輸入する複数の企業が、税関から課税されたため問題となっていた(注)。

指示文書ではまず、野菜種子などが免税となる法的根拠として以下を挙げた。

  • 2016年4月6日付輸出入税法107/2016/QH13第16条12項:植物品種のうち、国内で生産できないものであり、管轄政府機関の規定に基づき輸入が必要とされるものは免税。
  • 輸出入税法の詳細を規定する2016年9月1日付政令134/2016/ND-CP(以下、政令134号)の第18条1項:国内にない植物品種で直接農業生産に用いられるものは輸出入税法に基づき免税。同2項:国内にない品目かどうかは、投資計画省の規則に従う。同3項:輸入が必要な品目かどうかは、農業農村開発省の規則に従う。
  • 同政令第40条1項、4項:計画投資省は国内で生産できる品目のリスト、農業農村開発省は輸入が必要な品目のリストを作成する。

この上で、指示文書は、計画投資省はベトナム国内で生産できる品目のリスト(2018年3月30日付計画投資省通達01/2018/TT-BKHDTの付録IV)を規定し、税関は政令134号18条2項の確認が可能だが、農業農村開発省は、リスト作成および書面通知が完了しておらず、18条3項の法的根拠がない状態であるとした。

このため、税関総局は、農業農村開発省の確認書面がなければ、規定に従い関税を徴収すると結論付け、各地方税関に対し、「野菜種子等の輸入企業に、農業農村開発省に連絡をとるように案内する」という指示を出した。

税関では農業農村開発省が発行する輸入の必要性の確認書面に基づき免税を適用するという扱いを示したことになるが、これまでリストを作成できていない同省の確認を得るのは容易でないと予想され、留意が必要だ。

(注)ザンベトニュースによると、ベトナム植物品種貿易協会は輸出入税法に基づき免税を主張し、罰金や過去分の遡及(そきゅう)の追徴を受けた20の企業を支援するため、税関に嘆願書を提出した。税関の課税理由は、HSコードおよび税率の申告誤りとされる。一方で、一部免税を適用する地方税関もあり統一されていなかった。

(小林亜紀)

(ベトナム)

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