中国で「水素エネルギー都市競争力ランキング」発表

(中国)

上海発

2020年06月04日

中国における燃料電池車(FCV)に関しては、「燃料電池自動車モデル推進展開に関する通知」(以下、モデル推進通知)で意見聴取稿が出され、モデル都市選定計画が進みつつある(2020年5月15日記事参照)。

こうした状況の下で、5月22日に、新エネルギー・新素材関連のシンクタンクTrend Bankが「水素エネルギー都市競争力ランキング外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、ランキング)を発表した。水素産業のインフラなどの基礎が整っている度合い、政策面、商業面での積極性、水素生産や多様な応用などの特殊性についての指標を通じて、水素エネルギーに関する都市の競争力をランク付けしたものだ。モデル推進通知における、モデル都市の条件である(1)コア部品、コア材料などの産業基盤があること、(2)既にFCV発展計画や行動方案など支援策を有し、少なくともFCVが50台普及していること、(3)水素ステーションを1カ所建設運営していること、などの内容も加味したものとなっている。

モデル推進通知で対象となった北京市、山西省(3市)、上海市、江蘇省(5市)、河南省(1市)、湖北省(1市)、広東省(5市)、四川省(1市)のいずれについても、省市内の都市がランキングに入っている。一方、対象となっていなかった山東省(4市)、河北省(3市)、浙江省(2市)などからも複数の都市がランキングに入っており、これらの省も水素エネルギーに関する高い競争力を有することがうかがえた(添付資料表参照)。

ランキングでは、上海市がトップになっている。水素ステーションが既に7カ所で運営され、関連する産業園区や産業サプライチェーンも整備されていて、水素燃料電池自動車発展計画などの政策的な積極性もあることが認められ、総合的に高い評価となっている。

今回ランキング入りした30都市を中心に、モデル都市が選定されていく可能性がある。

(高橋大輔)

(中国)

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