ロックダウンのレベル3緩和後、酒類販売や飲食店テイクアウトを再開

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年06月09日

南アフリカ共和国では、6月1日から新型コロナウイルスに対する警戒レベル3への引き下げが実施(2020年6月2日記事参照)され、3月26日のロックダウン以降中止となっていた酒類の販売が再開された。当初、現地報道では店頭などでの混乱が予想されたが、結果的に大きな問題は発生していない。

酒類の販売は6月1日午前9時から再開され、ヨハネスブルク市内のディスカウントストア最大手の酒販売部門には、酒を求める150人程度の市民が行列した。ソーシャルディスタンスを考慮したことにより、1メートルごとの距離を順守し、通常よりかなり長い行列となっていた。従業員によると、最後尾の入店までは約1時間程度の見込みとのことだった。

写真 大型量販店での行列の様子(ジェトロ撮影)

大型量販店での行列の様子(ジェトロ撮影)

別の酒専門量販店は15人程度の行列で、状況について営業スタッフにヒアリングした。

同店の小売り面積は1,500平方メートルだが、政府の指示を守り、入店者を50人以内に制限している。入店時には客に対して、マスク着用、手洗浄、検温を実施後、入店を許可する。物流は正常に機能しており、十分な在庫があるため、販売制限は実施しないとのことだった。

写真 同店で大量のビールを納品する大型トレーラー(ジェトロ撮影)

同店で大量のビールを納品する大型トレーラー(ジェトロ撮影)

翌2日も同店で行列は発生せず、ロックダウン前の平常時と変わらない状況だった。

また、レベル3引き下げに伴い、飲食店のテイクアウトが可能になった。レベル4では注文はインターネット・電話で受け付けた後、配達での提供のみ実施していた。6月1日以降は、多くの店舗が店頭で対面販売を開始していた。店員に聞いたところ、「初日の売り上げは平常時の売り上げの1割以下。しかし、開店しないわけにはいかない。デリバリーを含めて、少しでもこれまでの分を取り戻さなければならない」とのことだった。市民生活は少しずつ日常に戻りつつあるが、課題もある状況だ。

写真 開店しているが飲食スペースはクローズしている飲食店(ジェトロ撮影)

開店しているが飲食スペースはクローズしている飲食店(ジェトロ撮影)

(蓑和希典)

(南アフリカ共和国)

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