首都圏州とバルパライソ州で新たに外出禁止対象地区が拡大

(チリ)

サンティアゴ発

2020年06月15日

チリ保健省は6月10日、追加の外出禁止措置を発表した。首都圏州に位置するペニャフロールとクラカビ、サン・ホセ・デ・マイポ、ティルティル、メリピージャの中心地と、バルパライソ州のバルパライソ、ビーニャ・デル・マル、タラパカ州のポソ・アルモンテの中心地が対象で、期間は6月12日午後10時から7日間となっている。1日当たりの感染者数の80%以上を占める首都圏州は、既に38のコムーナ(注)において5月15日から同措置が取られているが(2020年5月14日記事参照)、感染拡大を食い止めるに至っていない。

今回2つのコムーナが追加されたバルパライソ州では、既に6月9日からチリ最大の貿易港が位置するサン・アントニオが外出禁止措置の対象となっており、同州内の感染者増加に対する政府の懸念がうかがえる。なお、アントファガスタ州のカラマも9日から同措置の対象となっている。

保健省の発表によると、チリにおける新型コロナウイルス感染者数は、6月10日に5,737人(うち511人は無症状者)増加し、累計で14万8,496人(累計値のため、回復者や死者を含む)となった。死者数は同日に192人増加し、累計で2,475人になった。

外出禁止措置中に外出する場合には、チリ警察のウェブサイト上で外出許可証の取得(用途や回数に制限あり)が義務付けられているが、同許可証を取得せずに外出する者が後を絶たない。中には、感染確認後の隔離措置期間中に外出する感染者が確認されるなどのモラルが疑われるケースも発生しており、政府は市内パトロールや罰則の強化などの対策を講じている。

(注)コムーナとは、国の地方行政の基本単位。

(岡戸美澪)

(チリ)

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