新型コロナウイルス感染者急増でサンティアゴ市全体に外出禁止措置

(チリ)

サンティアゴ発

2020年05月14日

チリ保健省の5月13日の発表によると、同国の新型コロナウイルス感染者数は前日から2,660人増加して3万4,381人となった。国内で初の感染者が確認された3月3日から、1日当たりの感染者増加が2,000人を超えたのは初めてで、うち84.8%は首都圏州だ。保健省は、首都圏州での感染拡大を受け、従前の外出禁止措置(2020年5月11日記事参照)に加え、新たに同州のサンティアゴ市に属する32コムーナ(注)と、隣接するプエンテ・アルト、ブイン、サン・ベルナルド、パドレ・ウルタド、ランパ、コリナの6コムーナを外出禁止措置の対象にすると発表した。期間は5月15日午後10時から7日間を予定している。プロビデンシア、ニュニョア、ラス・コンデス、ビタクラなどのコムーナでは、いったんは外出禁止を解除されたものの、今回の発表で再び禁止対象となった。

また、高齢者が新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するケースが多いことから、同様に15日午後10時から全土で75歳以上の高齢者には外出禁止を義務付ける。13日付の同省の報告書によると、新型コロナウイルス感染により集中治療室(ICU)で治療を受けている患者642人のうち、60歳以上の高齢者が全体の半数以上、うち70歳以上は約23%を占めている。

(注)コムーナとは、国の地方行政の基本単位。

(岡戸美澪)

(チリ)

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