4月の失業率は19.8%と大幅悪化、就業者数は前年同月比537万人減少

(コロンビア)

ボゴタ発

2020年06月01日

コロンビア国家統計庁(DANE)の5月29日の発表によると、4月の失業率は19.8%だった。前年同月比で失業率は9.5ポイント上昇し、就業者数は537万1,000人減少した。前月と比較すると、就業者数が400万6,000人減少した一方、失業者数は111万4,000人増加し、失業率は7.2ポイント上昇した。新型コロナウイルス対策のために3月25日から全土で実施している外出禁止措置により、4月は食料品店や銀行などを除きほぼ全ての経済活動が停止していたためだ。

就業者数の減少幅を業種別にみると、製造業が前年同月比約100万人減少と最も影響が大きかった。次いで、自動車販売・修理(94万人減少)、芸術・エンターテインメント(80万人減少)、建設(65万人減少)だった。

DANEの発表を受け、産業界からはさまざまな声が上がった。コロンビア産業連盟(ANDI)のブルース・マクマスター代表は、今最も必要なことは安全に経済活動を再開させることと述べ、公共交通機関など人が密集する場所でのマスク着用の徹底や、各企業が感染防止策を講じることの重要性を訴えた。コロンビア商業組合(FENALCO)のハイメ・アルベルト・カバル代表は政府に対し、雇用を生み出す主要セクターである商業の活動再開をさらに妨げないよう求めた。全国貿易協会(Analdex)のハビエル・ディアス会長は、隔離措置をこれ以上続けることは不可能で、経済活動を再開させなければならないことは明白だと強調した(「ポルタフォリオ」紙5月29日)。

政府は4月27日以降、一部製造業や建設業を皮切りに企業活動再開を順次認めている。6月1日以降は小売り、美容院など専門業の再開も認めたが、営業再開のためには感染防止策を各自治体へ申請し、許可を得る必要がある。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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