香港政府、海外からの入境制限を9月18日まで延長

(香港)

香港発

2020年06月04日

香港政府は6月2日、入境制限および集合制限措置を延長すると発表した。政府食品・衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長は同日夕方の会見で、ここ数日、感染経路が不明な事案やクラスターの発生が確認されており、各制限の緩和は困難で、主要な防疫措置を維持するとした。

入境制限および集合制限措置の延長内容は以下のとおり。

【入境制限】

  1. 中国本土、マカオ、台湾からの入境:6月7日までの期限を7月7日まで1カ月延長。
  2. 上記1.以外からの入境:6月18日までの期限を9月18日まで3カ月延長。

いずれも、居住者や就労ビザがある場合など、入境が可能な者に対する14日間の強制検疫は継続となる。なお、広東省およびマカオからの入境については、条件・制限を設けながらの緩和を検討しており、最新の状況は随時政府から発表するとしている。

【集合制限】

  1. 公共の場における9人以上の集合禁止措置:6月4日の期限を、6月18日まで14日間延長。
  2. 飲食店などへの制限:テーブル間の距離制限(1.5メートル以上)、1テーブルの同席制限(8人まで。バーは4人まで)などの制限は、6月4日の期限を6月18日まで14日間延長。ディスコやサウナなどは引き続き営業停止。

6月4日開催の天安門事件追悼集会は警察が不許可

香港で毎年6月4日に開催される天安門事件追悼集会について、警察は不許可とした。集合制限が6月18日まで延長されたことにより、逃亡犯条例に対する一連の抗議活動も制約を受けるものとみられる。具体的には、各抗議活動の一周年にあたる、6月9日(100万人デモ行進)、6月12日(金鐘にある政府庁舎周辺での警官とデモ隊の衝突)、6月15日(デモ参加者である梁凌杰の死去)、6月16日(200万人デモ行進)にあわせて抗議活動が予定、検討されている。

(渕田裕介)

(香港)

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