タイ中銀、政策金利を据え置き、2020年の経済成長見通しは下方修正

(タイ)

バンコク発

2020年06月30日

タイ中央銀行(BOT)は6月24日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現状の0.50%に据え置くと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(賛成:7、反対0)。

BOTは、タイ経済について、世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、製造業をはじめとする輸出産業や観光業を中心に予想以上の悪影響を受けている点に言及。また、内需や企業の投資活動にも減速が見られた点を指摘、国内の雇用環境の悪化にも懸念を示した。引き続き、必要に応じて適切な金融政策を用い、景気悪化の影響を軽減させていくとしている。

さらに、BOTは、2020年および2021年の景気見通しを更新PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。まず、2020年のGDP成長率をマイナス8.1%と予測し、2020年3月時点の予測値(マイナス5.3%)を下方修正した。これは2009年のリーマン・ショック時に記録したマイナス7.6%よりもマイナス幅が大きい。

BOTは、同日実施された会見において、上述の2020年のGDP成長率予測値は、新型コロナウイルス第2波の発生を考慮していないとした上で、タイ経済は第2四半期に底を打つと予想。タイを含む新型コロナウイルス感染拡大を効果的に封じ込めることができる国々では、2020年後半から経済活動は徐々に回復するとの考えを示した。

その上で、2021年のGDP成長率については、観光業などの回復を見込み、5.0%と従来予想(3.0%)から上方修正した。

(岡本泰)

(タイ)

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