Eコマースの規制を大幅緩和、酒類・たばこの販売は依然禁止

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年05月19日

南アフリカ共和国の貿易産業競争省は5月14日、Eコマース(EC)に課していた制限の大幅な緩和を官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で発表した。これにより、同日からEC上で酒類とたばこを除く全ての商品の売買が認められることとなった。

新型コロナウイルス感染抑制のために3月27日からロックダウン(外出禁止)を実施している南アでは、食料品など必要不可欠な商品(エッセンシャル)以外のノン・エッセンシャル商品の販売が禁止となり、EC上の売買もエッセンシャル商品のみに限っていた。これに対して4月7日、約4,000のEC企業がECによる流通は感染拡大のリスクが比較的低いとし、ノン・エッセンシャル商品の販売許可を求めてエブラヒム・パテル貿易産業相宛てに嘆願書を提出するなど、業界から緩和を求める声が相次いでいた。

南アは5月に入ると、全土の警戒レベルを5から4に引き下げ(2020年5月1日記事参照)、13日にはシリル・ラマポーザ大統領が国民演説で、感染拡大が続く一部の地域を除いて5月末までにさらに警戒レベルを3に下げるとの道筋を示し、ECの緩和についても言及していた(2020年5月15日記事参照)。今回の発表はそれに基づくものだ。

国内ではケープタウン市を中心とする西ケープ州で感染拡大が続くものの、政府による「リスク調整戦略」に基づいた経済活動の再開が徐々に始まっている。主要産業の鉱業や自動車産業などの製造業も段階的に再開されているほか、5月12日にはロックダウン開始以降、禁止されていた自動車販売の再開も許可された(2020年5月18日記事参照)。現在もEC上でも禁止している酒類やたばこの販売は、警戒レベルが3以下に引き下げられた段階で一部許可する見込みだ。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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