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ボルソナーロ大統領との意見相違で再度保健相が交代

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年05月18日

ネルソン・タイシ保健相は5月15日、辞任することを発表した。ジャイール・ボルソナーロ大統領との新型コロナウイルス感染拡大防止をめぐる政策方針の違いが理由だという。タイシ氏は、マンデッタ前保健相の後任として、4月に就任したばかりだった(2020年4月17日記事参照)。

タイシ氏の辞任について現地紙の報道は、ボルソナーロ大統領と抗マラリア剤であるクロロキンやヒドロキシクロロキンの使用方法や、新型コロナウイルス感染防止措置下における活動可能な必需産業の拡大などをめぐる意見の相違が生じたことに加え、感染拡大防止措置の緩和方法について自治体との調整に失敗したため、と伝えている。

クロロキンやヒドロキシクロロキンの使用方法をめぐっては、ボルソナーロ大統領は、公的医療機関である統一医療システム(SUS)のプロトコル(治験実施要件)を変更し、病院での治療初期段階から両薬剤の投与を認めることを主張していた。一方、タイシ氏は、両薬剤には副作用があり、かつ両薬剤の有効性に対する確固たる科学的証拠がないとして、現行どおり重症患者に対してのみ両薬剤を投与することを主張していた。

感染拡大防止措置の緩和方法に関しては、ボルソナーロ大統領は直ちに経済活動を再開するため、現行の感染拡大防止措置の早期終了を主張。これを受けタイシ氏は、ベッド占有率、症例数、死亡者数など多数の数値データを基に措置を柔軟化しようとしたが、自治体からの激しい抵抗にあい調整に失していた。

必需業種の拡大に関して、ルソナーロ大統領は5月11日、美容院、理容店、ジムを新たに当該業種に加える連邦政令(5月11日第10,344号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に署名した。同政令は、即日官報掲載され施行された。ところが、タイシ氏は同政令の最終的判断に関しては知らされていなかったようだ。

今回の辞任を受けて、金融市場は大きく反応した。金融市場関係者は、保健相辞任による今後の感染防止への対応の遅れやボルソナーロ政権弱体化の恐れを懸念したためだ。サンパウロ証券取引所株価指数(IBOVESPA)も前日比1.84%減の7万7,556ポイントで取引を終了した。為替は、対ドルレートが前日比0.78%レアル安の1ドル5.85レアルだった。

(大久保敦)

(ブラジル)

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