タミル・ナドゥ州がロックダウン第3期の緩和措置などを公表

(インド)

チェンナイ発

2020年05月12日

タミル・ナドゥ(TN)州政府は5月3日、ロックダウン第3期(5月4~17日)の一部緩和措置および工場などの操業再開時における標準作業手順(SOP)に関する通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発出した。本通達は、内務省が5月1日に出した、インド全土ロックダウン第3期ガイドラインに準拠したものとなっている。本通達により、州内の工場は、一定の条件を満たせば操業再開が可能となる。

本通達では、TN州内を、(1):封じ込め地区(州内全体711カ所、うちチェンナイ市内189カ所)、(2):チェンナイ市内から(1)を除いた地区、(3):(1)および(2)以外のTN州全域、の3つのエリアに分けて、許可される経済活動などが列挙されている。

(1)のエリアではいかなる活動も認められないが、(2)のエリアでは、建設工事、工業団地外の特別経済区(SEZ)や100%輸出指向型企業(EOU)などの操業(従業員の25%を上限)、IT関連サービス(従業員の10%を上限)などが認められる。また、(3)のエリアでは、郊外にある全ての工場での操業(従業員の50%を上限)、SEZ、EOUおよび工業団地の操業(従業員の50%を上限)などが認められる。

操業を再開する施設は、操業に関する情報や従業員の移動に使用する車両などを、オンラインで登録して許可証を取得し、SOPを順守する必要がある。

なお、必需サービスではない民間企業のオフィス営業については、内務省のガイドラインにおいて一定条件の下で再開が認められていたものの、TN州の通達では言及されていない。

工場の操業再開には課題も

州内の工場は、本通達により条件を満たせば、限定的な操業再開が可能となる一方、感染リスクの低減 、販売先やサプライチェーンの状況および従業員の勤務環境整備などの条件が整わなければ、再開が困難になるケースも想定される。

ジェトロが4月24~28日に実施した「インド進出日系企業への新型コロナウイルスの影響についてのアンケート調査」(2020年4月30日記事参照)では、ワーカーの出勤や労務、勤務環境についての課題(複数回答可)に関するアンケートも実施。回答者の68.5%が「工場までの交通手段の確保ができない」、53.0%が「ワーカーの住まいがホットスポットなどに指定されており、出勤ができない」、22.7%が「ガイドライン記載の運営手順への対応(ソーシャルディスタンスの確保やシフトの変更など)ができていない」としている。

(坂根良平)

(インド)

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