移動制限令を6月9日まで延長、条件付きの緩和を維持
(マレーシア)
クアラルンプール発
2020年05月11日
ムヒディン・ヤシン首相は5月10日の会見において、移動制限令を6月9日まで延長することを発表した。マレーシア政府による新型コロナウイルス感染拡大防止策は一定の成果を収めつつあるが、封じ込めに完全に成功したわけではないとして、保健省と国家安全保障委員会の勧告の下で決定したという。
さらなる緩和は状況次第で決定
マレーシアは5月4日から、一部の業種・活動を除くほぼ全ての経済活動を条件付きで再開している(2020年5月7日記事参照)。今回の延長によって緩和される措置はなく、操業禁止業種の再開、多くの人が集まる集会、州をまたぐ移動、出入国は6月9日まで制限されるが、それらを除いた活動は従前の標準手順書(SOP)、官報などに従い許可される。
ムヒディン首相は、今後のSOP変更や操業可能業種の拡大などのさらなる条件の緩和ついては、「状況を見て決定する」と述べている。
全従業員への新型コロナウイルス検査は不要
国際貿易産業省(MITI)が5月8日付で発表した「よくある質問(FAQ)」によると、従業員への新型コロナウイルス検査は任意となる。ただし、外国人労働者については、建設業について全員の検査を義務付けるとした。その他の業種に従事する外国人労働者については、今後の政府からの通知に従うこととなっている。
新型コロナウイルス検査については、社会保障機構(SOCSO)指定の機関が検査費用を補助する制度がある。ただし、SOCSOに、被雇用者が登録されていることが条件で、登録していれば国籍を問わず適用される。同制度の利用については、SOCSOがガイドラインを発表している。
マレーシアの新型コロナウイルス感染者数は、5月10日時点で6,656人、うち約75%に当たる5,025人が回復している。1日当たりの新規感染者数は、3桁台となった5月2日と3日の2日間を除いて、4月17日以降は2桁台を維持している。
(田中麻理)
(マレーシア)
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