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ゼレンスキー大統領、改革執行委員会議長に元ジョージア大統領を任命

(ウクライナ、ジョージア)

欧州ロシアCIS課

2020年05月11日

ウクライナのゼレンスキー大統領は5月7日、元ジョージア大統領のミハイル・サアカシビリ氏を改革執行委員会議長に任命した。

改革執行委員会とはペトロ・ポロシェンコ前大統領によって2014年8月に創設された、国家改革戦略計画の策定、実行、進捗監理を行う大統領付属機関(2014年8月13日付大統領令644/2014号)で、国家改革評議会(注)の活動を支援する役割を担っている。

ゼレンスキー大統領は「サアカシビリ氏が国家改革評議会に新しい刺激を与え、国家に大きな変化をもたらしてくれると信じている」と指摘(大統領府発表5月7日)。ジョージア大統領時代に実施した汚職防止活動や税関改革、ジョージア西部の黒海沿岸都市バトゥミへの投資誘致活動の成果を高く評価し、「ウクライナにおける規制緩和と税関改革について数ヵ月以内に結果を出すと期待している」と述べた(ウクライナ国営通信社「ウクルインフォルム」5月9日)。

ミハイル・サアカシビリ氏は1967年生まれの52歳。ジョージア生まれでウクライナのキエフ大学卒、米コロンビア大学院を修了。ジョージアにおける2003年の「バラ革命」を主導し、2004年から2013年の間ジョージア大統領を務めた。その後、2014年のウクライナにおけるユーロマイダン革命に参加。当時のポロシェンコ大統領の任命により2015~2016年にかけ大統領顧問とオデッサ州知事を担い、ウクライナ国籍を取得した(ジョージア国籍は喪失)。一方、2014年にジョージアにて大統領時代に国家予算を横領した罪で刑事訴追され、2017年にはウクライナ国籍の取得に伴う記載情報に誤りがあったことを理由にウクライナ国籍のはく奪処分を受けウクライナから追放された。2019年5月にゼレンスキー大統領が就任するとウクライナ国籍が再度付与された。

今回のゼレンスキー大統領によるサアカシビリ氏の登用については否定的な見方が一般的だ。ウクライナの政治学者ワジム・カラショフ氏は「ゼレンスキー大統領の正当性は新しい政治に期待している国民の支持により成り立っている。大統領が旧政治エリートの1人であるサアカシビリ氏に頼るということは、大統領が無力で問題解決能力がないという宣言に等しい」とコメント(ロシアメディア「ドゥニー・ルー」5月3日)。ロシアメディア「ゴスノーボスチ」(5月11日)は、サアカシビリ氏の復帰はウクライナに災いをもたらすだけとし、その理由としてオデッサ州知事就任してから1年半後には反ポロシェンコ大統領キャンペーンを開始しウクライナの政治を混乱させたことを挙げたほか、サアカシビリ氏との犬猿の仲にあるジョージアやロシアとの外交関係も悪化するだろうと評している。

(注)首尾一貫した国家改革を調整し実施するための大統領付属の諮問機関。

(齋藤寛)

(ウクライナ、ジョージア)

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