バングラデシュ中銀、大企業向け特別ローンの概要発表
(バングラデシュ)
ダッカ発
2020年05月20日
バングラデシュ中央銀行は4月12日、新型コロナウイルスに係る経済対策として、3,000億タカ(約3,900億円、1タカ=約1.3円)の大企業向け運転資金ローン制度を発表している。主なポイントは以下のとおり。詳細は融資実施機関の商業銀行宛てに発出された通知(添付資料:ジェトロ仮英訳)を参照。
(1)申し込み条件
- 新型コロナウイルスにより売り上げなどへの影響を受けた大企業で、これまでにローンの債務不履行や返済スケジュールの変更が3回以上ないこと。
- 売り上げなどへの影響が大きい企業を優先し、中堅・中小零細企業は対象外となる。当該ローンは、申込者が既に抱えている別のローンへの返済、新規事業やビジネスの拡充には充てられない。
(2)融資金額
- 個々の銀行・受益者により融資可能な金額は異なる。
※申請時点で取引銀行から運転資金の融資を受けている企業は、本制度を通じ、さらに銀行が個別に定める運転資金借り入れ限度額の最大30%相当額を借り入れ可能。
※これまで融資を受けていない企業は、各銀行のローンガイドラインに基づき、必要な運転資金の最大30%を借り入れ可能。
(3)取扱期間
- 本通達発出後3年以内。
- 提供方法については、市中銀行が各行のローン提供ガイドラインに沿って貸し出しを行う。
(4)返済期限
- 各受益者が当該ローンを組んでから1年以内。
(5)適用利率
- 最大で9.0%。受益者は4.5%を負担し、4.5%は政府(中央銀行)が助成金として負担。
政府はこの特別ローン制度を即時発効としている。中堅・中小零細企業向け特別ローン制度(2020年5月18日記事参照)と同様、日系を含む外資系企業を利用対象外とする追加通達などは現在発出されていないが、多くの地場企業の申請が予想されるため、本制度の利用を希望する場合は早めに当地の取引先銀行に照会する必要がありそうだ。
(山田和則、安藤裕二)
(バングラデシュ)
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