4月の自動車生産台数は過去最低を記録

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年05月12日

ブラジル自動車工業会(ANFAVEA)は5月8日、2020年4月の自動車生産台数(乗用車、軽商用車、トラック・バスの合計)はわずか1,847台で、前月比99.0%減、前年同月比99.4%減と発表した。新型コロナ感染拡大の影響で国内自動車工場の生産停止を余儀なくされ、4月の生産台数はブラジル自動車産業が1957年に始まって以来、最も少ない月間生産台数となった。

ANFAVEAによると、ブラジル国内には農業機械生産者も含めて、会員企業が26社、工場は65ある。3月23日~4月12日の間に、65の工場のうち63工場が停止し、2工場だけが操業を継続していた。4月末までには8工場が生産を再開したが、5月1日時点で依然として55工場が生産を停止している。

4月の国内販売台数も5万5,700台にとどまり、前月比65.9%減、前年同月比76.0%減と過去20年で最も少ない月間販売台数になった。4月の輸出台数についても7,200台で、前月比76.6%減、前年同月比79.3%減となり、1997年1月以来、最低の月間輸出台数だった。

4月の国内販売と輸出双方の低迷により、4月末の販売在庫は23万7,300台(工場:7万3,900台、ディ―ラー:16万3,400台)で、在庫縮小幅は前月末比11.0%減にとどまっている。

ANFAVEAは、感染拡大で需要が低迷する中で向こう4カ月分の販売在庫があり、今後、各社が全ての工場を再稼働しても、生産台数を増やすことは難しいとの見方を示している。

(大久保敦)

(ブラジル)

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