タイ中銀、政策金利を引き下げ、過去最低の水準を更新

(タイ)

バンコク発

2020年05月22日

タイ中央銀行(BOT)は5月20日、金融政策委員会を開催し、政策金利を0.75%から過去最低の水準となる0.50%に引き下げた(賛成:4、反対3)。2019年8月に約4年ぶりとなる利下げを実施後、今回が5回目で、直近では3月以来となる。新型コロナウイルスの感染拡大による経済悪化を背景に、政策金利は過去最低を更新し続けている。

BOTは、世界経済の急激な悪化や新型コロナウイルス感染拡大防止のための規制による国内消費の落ち込みなどの要因から、2020年のタイ経済はこれまでの見通しよりも縮小すると予測した。また、より緩和的な措置が経済回復の一助になるとし、景気下支えの必要性から政策金利の引き下げを決定した。他方、商業銀行の財務状況など、金融システムの健全性は確保されているとしている。

さらに、BOTは金融機関に対して、特に一般家庭や中小企業が新型コロナウイルスの影響による債務不履行となることを防ぐため、それら借り手に対する債務再編の加速や信用延長を要請した。BOTの公表を受け、バンコク銀行が貸付金利の引き下げを決定したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。他の金融機関の追随が予想される。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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