長安汽車、4月の販売台数はプラス成長に転じる

(中国)

成都発

2020年05月22日

長安汽車集団(以下、長安汽車)は5月6日、2020年4月の販売台数を発表した。4月の販売台数は、前年同月比32.0%増の15万9,557台となった(添付資料表参照)。うち、重慶長安汽車は4万7,095台(45.0%増)、長安フォードは2万465台(38.3%増)だった。

一方、1~3月の長安汽車の販売台数を5月7日付け中国自動車工業協会の発表でみると、台数は30万3,000台(前年同期比32.5%減)で、うち乗用車が22万3,465台(29.6%減)、商用車が7万9,613台(39.4%減)と大幅なマイナスとなっていた。3月までの状況と比べて、4月は回復基調であることが分かった。

また中国自動車工業協会によると、長安汽車は5月8日、中国医薬集団(以下、国薬集団)と戦略的取り決めを締結したという。両社は資源を統合し、ヘルスケア自動車、関連部品および医薬物資専用車両の共同開発を行うなど、国薬集団のヘルスケア分野における先端技術やノウハウを生かし、「自動車+ヘルスケア事業」を展開するとしている。両社は、新型コロナウイルスの感染拡大による消費者の健康意識の高まりに、運転の際の安全性確保などで対応するとともに、自動車による健康関連サービスの提供を実現させる狙いがある。

また、長安汽車は新車種の製造にも取り組み、競争力の強化に乗り出している。3月29日に、長安フォードは高級車ブランド「リンカーン」のスポーツ用多目的車(SUV)「コルセア」がラインオフしたことを発表した(2020年4月2日記事参照)。自社製品のグレードアップと市場拡大に積極的な姿勢を示している。

さらに4月28日、重慶長安汽車は新株の発行を通じて最大60億元(約900億円、1元=約15円)を調達すると発表した。重慶長安汽車は、割当先である中国兵器装備集団、中国長安汽車集団、南方工業資産管理と資本連携し、自主ブランド乗用車の生産能力の強化や国内の排ガス基準に対応したエンジンの生産などを計画している。

(王植一)

(中国)

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