物価上昇続く、4月は前年同月比22.9%

(エチオピア)

アディスアベバ発

2020年05月18日

エチオピア中央統計局は、4月の消費者物価(総合)上昇率が前年同期比22.9%となったと、5月3日に発表した。20%を超えるのは2月から3カ月連続、前月からは0.3ポイント上昇した。2019年9月以降、前年同月比で18%を超え続けている。

詳細な動向については、フォーチュン紙5月9日付けの分析によると4月は食料品が前年同月比25.9%上昇(前月比1.0ポイント減少)、非食料品が同19.2%上昇(同1.6ポイント上昇)となった。過去数カ月は食料品価格の上昇が消費者物価を引き上げていたが、4月はわずかに上昇率に鈍化がみられた。非食料品は、アルコール・たばこ・チャット〔嗜好(しこう)品〕、衣料品、住宅賃料、燃料、家財・家具、交通費、医療費など幅広い区分で上昇した。

エチオピアで新型コロナウイルス感染者が最初に確認されたのは3月13日で、3月からの物価上昇率は2.0%にとどまった。政府は、物価高騰が続く中、新型コロナウイルスによる混乱からの便乗値上げを警戒し、取締りを強化している。3月にはアディスアベバ市内で事業停止措置を受けた店舗が1,400軒、全国では7,000軒に上るという(「リポーター」紙3月28日)。

政府は物価安定のために、4月には国際調達で小麦(181万キンタル)、食用油(1億430万リットル)、砂糖(320万キンタル)、コメ(170万キンタル)を公示したほか、石油供給公社を通じてアブダビ首長国から4万トンの石油製品購入を決めている。

(関隆夫)

(エチオピア)

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