企業数の伸びが鈍化、2020年に100万社到達は困難に

(ベトナム)

ハノイ発

2020年05月14日

ベトナム統計総局は4月28日、「ベトナム企業白書2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同白書によると、ベトナム全国の企業数(注)は2019年末時点で75万8,610社(前年比6.1%増)だった。2018年末時点で71万4,755社(9.2%増)だったのに対し、2019年は新規設立企業数が13万8,139社(5.2%増)となったが、営業停止、解散などを差し引きすると、4万社程度の増加にとどまった。

業種別では、サービス業が最多の50万8,770社(前年比6.9%増)、鉱工業・建設業が23万9,755社(5.1%増)、農林水産業が1万85社(6.3%減)となり、第一次産業から第二次産業と第三次産業に移行している状況がうかがえる。

省・市別では、ホーチミン市が最多の23万9,623社(前年比5.0%増)、ハノイ市が15万5,940社(9.0%増)となり、この2大都市で全国の企業数の5割を占めている。3位以下はビンズオン省(3万1,599社)、ダナン市(2万2,566社)、ドンナイ省(2万2,398社)、ハイフォン市(1万9,918社)が続いた。ビンズオン省は14.6%増、バクニン省が14.5%増と大幅に企業数が増えた一方、ハイフォン市は7.8%減となった。

ベトナム政府は、2016年の政府決議35号(35/NQ-CP)で2020年までに100万社到達の目標を掲げているが、統計総局のグエン・ビック・ラム局長は「2020年に入ってからは新型コロナウイルスの影響などで、操業停止となる企業が多い。新規登録の企業数が減少している現状なども踏まえると、2020年の100万社到達は難しく、90万社程度になると予想される」と述べた。同局長は企業発展のため、政府が法制度整備や国内市場の開発支援に取り組むとともに、地方省は地方の強み、潜在力を発揮することに、企業は技術導入や品質向上、組織・協会は国家機関への企業の要望を踏まえた政策提言活動などに、それぞれ取り組むべきだと提言した。

ベトナム企業白書は2019年の初版(2019年8月1日記事参照)に続き、2回目の発行となった。また、今回の発表では、ベトナム全国と省・市別の協同組合の状況を報告する、初の「ベトナム協同組合白書2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」も発表した。

(注)名称、資産、所在地を有し、ビジネス活動を行う目的で登録されている事業体の数。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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