新政権が発足、連立期間で首相輪番制に

(イスラエル)

テルアビブ発

2020年05月19日

2019年4月から3度実施された総選挙を経て、2020年5月17日に与野党連立による挙国一致内閣が成立した。連立期間は36カ月間で、前半の18カ月間は右派政党「リクード」のベンヤミン・ネタニヤフ党首、後半に中道政党「青と白」のベニー・ガンツ代表が首相に就く。

右派のリクードや宗教政党、中道の「青と白」、中道左派の労働党が加わる新政権は議会の賛成多数で承認され、閣僚のリスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが発表された。2019年の4月から暫定政権を率いてきたネタニヤフ氏が、通算5期目の首相として続投する。ガンツ氏は今回の連立政権の前半期間で副首相兼国防相を務め、2021年11月に首相に就任する。ネタニヤフ首相は後半期間には副首相になる予定。

3月2日に実施された第23回総選挙の後、リブリン大統領は「青と白」のガンツ代表に対して組閣を指示(2020年3月23日記事参照)。ガンツ氏は連立協議の条件としてネタニヤフ首相の退陣を求めていたものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に対処するため「挙国一致政府が必要」と方針を転換し、大連立の協議を続けていた。4月中旬の組閣期限までに連立協議が合意に達しなかったため、大統領は5月7日にクネセト(国会、定数120)の過半数の議員の支持を得たネタニヤフ首相に対し連立政権の組閣を指示するなどの経緯があり、総選挙投票日から2カ月半が経過して組閣が実現した。

(余田知弘)

(イスラエル)

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