4月の自動車生産台数、前年同月比84%減に

(タイ)

バンコク発

2020年05月26日

タイ工業連盟(FTI)自動車部会は5月20日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国内外の景気悪化により、2020年4月の自動車生産台数が前年同月比83.6%減の2万4,711台と大幅に落ち込み、12カ月連続のマイナスになったと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(添付資料表参照)。また月間台数としては、大洪水が発生した2011年11月以来の記録的な低水準となった。内訳は輸出向けが全体の55.5%で、81.8%減の1万3,713台、国内販売向けが44.5%で、85.3%減の1万0,998台だった。

部門別では、乗用車が前年同月比85.7%減の8,727台、ピックアップトラックなどの商用車が82.1%減の1万5,984台となった。3月下旬以降、国内販売の90%弱を占めるトヨタ、いすゞ、ホンダ、三菱自動車、日産、マツダ、スズキの日系各社は工場の操業を一時停止し、3月の統計にも影響が出ていたが(2020年5月1日記事参照)、4月にその影響による減産傾向が顕著になった。

1~4月累計では、前年同期比32.8%減の47万8,393台となり、輸出向けが29.4%減の26万7,617台、国内販売向けが36.7%減の21万776台だった。部門別では、乗用車が36.3%減の18万2,657台、商用車が30.4%減の29万5,736台となっている。5月に入り、生産再開の動きが出てきているものの、引き続き生産調整や操業停止中の自動車メーカーもあり、5月も大幅な減少は避けられないとみられる。

4月の国内販売台数は、前年同月比65.0%減の3万109台で、11カ月連続のマイナスとなった。1~4月累計では前年同期比34.2%減の23万173台になっている。

4月の輸出台数は、前年同月比69.7%減の2万326台と大幅に落ち込み、10カ月連続のマイナスだった。1~4月累計では前年同期比26.3%減の27万607台となった。4月は輸出先全てでマイナスに転じ、全体の約3分の1を占めるアジア向けが前年同月比60.4%減、約4分の1を占めるオセアニアが82.4%減となり、約4分の1を占める中近東についても10カ月ぶりのマイナスとなる27.4%減と落ち込んだ。1~4月累計では、中近東、アフリカ向け以外はマイナスで、アジアが29.6%減、オセアニアが40.7%減となっている。

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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