第1四半期の自動車生産台数は大幅に減少、通期見通しの引き下げ検討も

(タイ)

バンコク発

2020年05月01日

タイ工業連盟(FTI)自動車部会は4月23日、2020年第1四半期(1~3月)の自動車生産台数が前年同期比19.2%減の45万3,682台となったことを発表した(添付資料表参照)。内訳は輸出向けが全体の56%、前年同期比16.4%減の25万3,904台となり、国内販売向けが同44%、前年同期比22.5%減の19万9,778台となった。

車種別では、乗用車が前年同期比22.9%減の17万3,930台、商用車が前年同期比16.7%減の27万9,692台となった。3月下旬以降、トヨタ、いすゞ、ホンダ、三菱自動車、日産、マツダ、スズキの日系各社は工場の操業を一時停止しており、4月以降はその影響による減産傾向が一層顕著になると見込まれる。

FTIは3月に2020年通期の生産見通しを期初の200万台から190万台に下方修正していたが、今回の発表では、新型コロナウイルスの影響が9月まで長引けば、前年比半減の100万台(国内向け50万台、輸出向け50万台)に落ち込む恐れもあるとし、さらなる下方修正を検討するとした。

第1四半期の国内販売台数は、前年同期比24.1%減の20万64台と落ち込んだ。3月単月では前年同月比41.7%減の6万105台と、より減少幅を広げるかたちとなり、10カ月連続のマイナスとなった。昨年後半より、景気後退と金融機関による自動車ローン規制の強化により販売台数が減少傾向にあった中、2月以降の新型コロナウイルスの広がりが追い打ちをかけたかたちだ。

第1四半期の自動車輸出台数は、前年同期比16.5%減の25万281台にとどまった。仕向地別では、オセアニアが27.6%減、アジアが23.5%減、北米が28.0%減、中南米が2.1%減となり、全体を押し下げた。3月単月では前年同月比23.7%減の8万9,795台となり、9カ月連続のマイナスとなった。オセアニア向けが37.0%減、アジアが38.3%減と大きく落ち込んだ。

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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