モロッコ政府、新型コロナ後を見据えた経済施策を発表

(モロッコ)

ラバト発

2020年05月29日

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、モロッコ政府は「衛生緊急事態」を2回延長して6月10日までの期間で発令している。経済監視委員会はコロナ禍が落ち着いた後、速やかに経済活動への悪影響から脱するため、5月21日に政府保証による企業の借り入れ支援計画を発表した。

同計画では融資の上限金利は4%、返済期間は7年間で猶予期間が2年設けられる。零細事業者向けと中小・大企業向けの2つのスキームで融資保証を行う。零細事業者向けスキームでは、年間売上が1,000万ディルハム(約1億1,000万円、1ディルハム=約11円)未満の小規模店舗や職人などの零細ビジネスを対象に、売上額の10%を上限にした融資額の95%を政府が保証する。中小・大企業向けスキームでは、売り上げが1,000万ディルハム以上の企業を対象に、融資額の半分をサプライヤーへの支払いに充てることを条件に、融資額の80~90%を保証する。融資額の上限は、製造業の場合は売り上げの1.5カ月分、その他の業界については1カ月分。

現地報道によれば、融資保証の目的は経済回復と雇用確保で、国内生産の再構築、国内需要刺激による投資の奨励、国内経済環境の正常化の加速の3点によって達成を目指す。保健、教育、再生可能エネルギー、デジタル化など、政府が注力するセクターの成長も目的にしている。

(大野晃三)

(モロッコ)

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