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ボーイング、エンブラエルとの小型商用機事業の統合を断念

(米国、ブラジル)

サンパウロ発

2020年05月07日

米国ボーイングと、世界3位の旅客機メーカーであるブラジルのエンブラエルは4月25日、商用機事業での統合を断念したことを発表した。ボーイングとエンブラエルがそれぞれ自社のウェブサイトで明らかにした。

2018年に両社が調印した基本取引契約(Master Transaction Agreement:MTA)では、ボーイングが80%、エンブラエルが残り20%の株式を保有し、2020年4月24日までに統合を完了する予定だった。ボーイングは、競合メーカーであるエアバスがカナダのボンバルディアと提携して生産供給する、近・中距離商業旅客機のエアバスA220(70~150席)に対抗するため、同分野の競合メーカーであるエンブラエルの商用機事業との統合を申し出た経緯がある。

4月25日付の現地紙「G1」によれば、ボーイングは「エンブラエルが必要な条件を満たさなかったため、合意を撤回する権利を行使した」と述べている。エンブラエルは自社のウェブサイトで「われわれはMTAに基づく義務を完全に順守しており、ボーイングがMTAを不当に終了させた。ボーイングは、自社の財務状況や737 MAXの問題に鑑みて当社との取引完了を望まなかった」と述べ、「われわれはMTA違反で被った損害につき、ボーイングに対してあらゆる法的な賠償を追求する」と発表している。

4月26日付の「G1」紙は、エンブラエルの2019年報告書によると、同社はボーイングとの商用機事業の統合に向けて2019年に4億8,500万レアル(約97億円、1レアル=約20円)の投資を行ったと報じている。米国デンバー大学のアーロン・シュナイダー国際関係学部教授は、ボーイングによる補償額は7,500万~1億ドルになる可能性を示唆している。また、今回の統合断念は、2020年に生産を停止した737 MAXの損失に加えて、新型コロナ感染拡大も相まって同事業の継続が不可能になったとの見方が出ている。

一方、エンブラエルも、新型コロナ感染拡大などによる影響で航空機市場の回復には3~5年かかり、需要低迷期を乗り切るための新たな戦略が必要になった、との見方がされている。

4月26日付の「G1」紙などによれば、エンブラエルは、2019年の同社キャッシュポジションは健全で向こう2年間は大きな負債はないと強調している。

(大久保敦)

(米国、ブラジル)

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