連邦政府、シェール探査試験プロジェクトを民間投資事業に設定

ジャイール・ボルソナーロ大統領は、ブラジル国内のシェールオイル・ガス探査試験プロジェクトを投資パートナーシッププログラム（PPI）の対象とする政令（5月5日付第10,336号）に署名した。同政令は5月6日付官報に掲載され即日施行した。

PPIは、インフラ整備や資源開発プロジェクトに関する透明性・信頼性・法的保護をより高め、官民パートナーシップを強化・拡大し、民間事業者の投資を呼び込むことを目的としている。政府は今後、同プロジェクトに取り組む民間事業者を競争入札で選び、落札企業に対してはプロジェクト実施に必要な環境ライセンス取得などの支援を行う。同PPIプロジェクトの進捗状況はPPIウェブサイトで確認できる。

今回の探査試験プロジェクトは、ブラジル北東部2州に所在するサイトが対象となる。その実施目的は、国内でのシェールオイル・ガス資源を環境に安全な方法で探査するために必要な技術・法的枠組みを調査研究することだ。同プロジェクトは鉱業エネルギー省が推進する陸上石油・天然ガス開発生産活動再活性化計画（REATE）のひとつとなっている。

シェールオイルの採掘は、通常の石油掘削よりコストが高い上、環境に悪影響を与えるリスクが高い。従って記録的な原油価格低迷が続いている今日の現状では、シェールオイルを採掘するには採算が合わず、商業生産は困難な状況である。ブラジル政府は新型コロナウイルス感染の影響収束後の中長期的な市場回復を期待して、シェールオイル・ガス探査試験プロジェクトの実施に取り組むことになる。

（大久保敦）