1. サイトトップ
  2. ビジネス短信
  3. 米商務省、ファーウェイおよび関連企業への輸出管理を強化、米技術を用いた外国製造製品も対象

米商務省、ファーウェイおよび関連企業への輸出管理を強化、米技術を用いた外国製造製品も対象

(米国、中国)

ニューヨーク発

2020年05月19日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は5月15日、中国の華為技術(ファーウェイ)と関連企業114社への輸出管理を強化することを明らかにした。規則の変更自体は5月15日から有効で、BISは7月14日までパブコメを募集する(注1)。正式には5月19日付の官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公表する。

ファーウェイと関連114社は2019年5月以降、BISが管理するエンティティー・リスト(EL)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されており、これら企業への米国製品(物品、ソフトウエア、技術)の輸出・再輸出などは原則不許可となっている。しかし、ウィルバー・ロス商務長官は「ファーウェイと関連114社は、これらの安全保障に基づく規制をかいくぐる努力をしてきた」と今回の規則変更の理由を述べた。

米輸出管理規則(EAR)は、BIS管理の規制品目リスト(CCL)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載された国家安全保障(NS)規制(注2)にかかる米国の技術・ソフトウエアを用いて米国外で製造された直接製品、またはそれらを用いて米国外の工場または工場の主要な装置で製造された直接製品を、懸念国に再輸出・米国外から輸出・国内移転(以下、再輸出など)する場合、一般禁止事項3〔連邦規則集第15編のPart736.2(b)(3)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕の下、原則禁止としている。BISが指定する懸念国には既に中国も含まれる(注3)。

BISは今回の規則変更により、一般禁止事項3に、米国外で製造された直接製品がELの中で指定された主体に渡ると認知している場合は、許可がなければ再輸出などを禁止する旨の条項を新たに挿入した。また、規制対象とする技術・ソフトウエアについても、NS規制以外のものを追加できるようにした。

この変更に伴い、5月15日以降、次の2つの形態に該当する製品をEL掲載のファーウェイと関連企業114社(以下、ファーウェイなど)に再輸出などを行う場合は、事前にBISの許可が必要となる。

  1. ファーウェイなどにより生産された半導体設計などで、CCLに掲載されているソフトウエア・技術(注4)を用いて生産された直接製品。
  2. ファーウェイなどの設計仕様に基づいて生産されたチップセットなどで、米国外にある工場もしくは工場の主要な装置(注5)を用いて生産された直接製品。

ただし、BISはファーウェイなど向けに再輸出などが行われることを認知していた場合のみ許可を要するとしている。また、5月15日の時点で、既にファーウェイなどの設計仕様に基づき生産を始めている場合で、その完成品の再輸出などを行う際は、5月15日から120日以内であれば許可を求めない。

今回の規則変更による規制対象品目の拡大により、BISが指定したEL上の主体に、米国の技術・ソフトウエアを用いて米国外で製造した製品の再輸出などを行うことは一層困難になったとみられる。ただし、BISが懸念対象を限定的に絞り込む規則変更を行ったためか、米半導体産業協会(SIA)は5月15日、今回の規則変更が世界の半導体サプライチェーンに不確実性をもたらす可能性に懸念を示しつつも、「以前検討されていた広範な措置に比べれば、米半導体産業に与える打撃は比較的小さいとみられる」との声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出している。

(注1)パブコメは連邦ポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのドケット番号BIS2020-0011かRIN0694-AH99よりオンラインで提出ができる。BISは企業秘密に関する情報か、公開可能な情報かを識別可能にした上で提出するよう求めている。

(注2)CCL上の規制の種類の一つで、詳細は連邦規則集第15編のPart742.4外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで規定されている。

(注3)一般禁止事項の3では、カントリー・グループのD:1、E:1、E:2を禁止対象の仕向け国としており、中国はD:1に含まれる。

(注4)今回の官報では、NS規制に加えて、CCLに掲載されており輸出管理分類番号(ECCN)が、3E001、3E002、3E003、4E001、5E001、3D001、4D001、5D001、3E991、4E992、4E993、5E991、3D991、4D993、4D994、5D991で指定されている技術またはソフトウエアが該当するとしている。

(注5)これには(注4)で指定されたECCNに該当する技術またはソフトウエアの直接的な生産物である工場もしくは工場の主要な装置が含まれる。主要な装置とは、ファーウェイなどによる設計仕様を満たす製品の生産に不可欠な装置を意味し、試験用装置も含む。

(磯部真一)

(米国、中国)

ビジネス短信 53b8c315344725c7

ご質問・お問い合わせ

記事に関するお問い合わせ

ジェトロ海外調査企画課
Tel:03-3582-3518
E-mail:j-tanshin@jetro.go.jp

ジェトロ・メンバーズに関するお問い合わせ

ジェトロ・メンバーズ

ジェトロメンバー・サービスデスク(会員サービス班)

  • Tel:03-3582-5176 (平日9時~12時/13時~17時)
  • E-mail:jmember@jetro.go.jp