自動車販売もオンライン化の流れ

(中国)

上海発

2020年05月13日

新型コロナウイルスの感染拡大が抑制されつつある中国で、4月8日時点での自動車ディーラーの営業再開率は99.6%とほぼ全面再開している。店頭販売に加え、自動車ディーラーは、新たな営業ツールとして、アプリ、ソーシャルメディア、ライブ動画配信などを活用している。

ウェブやアプリを通じた自動車購入については、中国の自動車関連シンクタンクのWAYSによれば、2020年第1四半期には全体の3分の1を占めており、前年同期(4分の1)より拡大している。

テスラは2020年4月28日、アリババ系の電子商取引(EC)ショッピングサイトのタオバオで、人気のキャスターを起用したライブ配信を行った。ライブ配信では、モデルS、モデルX、モデル3の車種の外観、内装、性能などを紹介し、約400万人が閲覧した。ライブ配信サイトから、視聴者は試乗の予約ができ、ディーラー担当者は申し込みを受け48時間以内に試乗をアレンジする。今回、ライブが配信された1時間の間に2,600人が試乗を申し込んだという(「猎雲網」4月29日)。

テスラだけでなく、多くの自動車ブランドもライブ配信を利用した顧客開拓を行っている。2020年3月末までにBMW、マセラティ、アウディ、ボルボ、リンカーン、ホンダ、紅旗など40以上の自動車ブランドがタオバオで計1万5,000回以上のライブ配信を行い、電気自動車メーカーの上海蔚来汽車(NIO)も新型コロナウイルスの感染拡大が続く期間中に2,000回以上のライブ動画を配信した(「オートモーティブ・ニュース・チャイナ」4月30日)。

(高橋大輔)

(中国)

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